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北海道建設新聞社
2009/12/15

【北海道】農道整備廃止の仕分け判定に不安募らせる関係者

 政府・行政刷新会議の事業仕分けで農道整備が廃止と判定され、2010年度以降の事業が不透明になっている中、石狩管内で唯一、道営農業農村整備による農道事業が進められている太美南部地区の関係者は不安を募らせている。10年度の整備完了を目前に控えていただけに、関係者からは一様に「残念」との声が漏れる。その上で「何とか整備の完了を目指して事業を継続してほしい」と訴える。
 太美南部地区は、当別町南部で国道337号の南側を並行する広域関連農道で受益地は800ha。1995年に事業着手し、10年度までに延長5085m、幅員8mの整備を計画。事業費ベースの進ちょく率は97%に達している。
 最終年次の10年度は、改良2カ所836mと舗装1カ所2016mに、事業費1億3800万円を予定している。
 沿道には一帯の農家が共同で運営する小麦乾燥調製施設があり、広域的な営農を支える路線として期待されているとともに、農地の集約が進み大型農業機械の通行が頻繁となっているため、並行する国道の代替路線としての役割も重要となっている。
 同地区期成会の川村義雄会長は、事業仕分けについて「地元の現状をもっと知ってほしい。東京だけで議論が進んでいる」と憤る。「完成を目前に控え期待が高まっていただけに残念。完了が先に伸びるのもやむを得ないが、何とか事業の完成を待ちたい」と続けた。
 整備を進める石狩支庁整備課は「路盤造成を終えていない個所の暫定的な盛り土が営農に支障を来す恐れがある」と懸念する。
 この地域は泥炭地が広がるため、路盤の安定処理として改良に先立ち道路に厚さ1m程度の盛り土を施している。この盛り土が放置されると農地に流出するなどの影響が考えられるためだ。
 事業費の一部を負担する当別町の担当者は「完了を来年に控え、町としても期待していただけに残念。(10年度予算で)事業の復活に期待する」と話している。