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北海道建設新聞社
2009/12/09

【北海道】技能者を首都圏に、道基礎工業協組が認可取得を検討

 北海道基礎工業協同組合(小坂豊英理事長、26社)の組合員企業が、母体である全国基礎工業協同組合連合会(全基連、梅田巌会長)を通じ、自社の技能者を首都圏などの現場に合法的に派遣できる「建設業労働者就業機会確保事業」に乗り出す検討を始めた。すでに11社の組合員が前向きな姿勢を示し、必要な事業認可を取得すれば2010年4月1日からスタートできる。
 就業機会確保事業は、組合員同士であれば、技能者を現場に送り出したり、受け入れたりできる制度。全基連は厚生労働大臣の認可を取得し、09年度から関東地域などの地方組織、東日本基礎工業協同組合(116社)を対象に試行している。
 出稼ぎと異なるのは、技能者を一時解雇することなく、社員の身分のままで派遣できる点。景気低迷が著しい中、雇用を維持し、優秀な人材の流出を防ぐのに有効とされる。
 技能者を送り出す企業は、それぞれ実施計画などと一緒に認可申請を厚労省に提出。認可後は、技能者に教育訓練を受けさせて派遣となる。各企業には最大で300万円の補助金が支給される。受け入れ企業は組合員であれば、特に認可は必要ない。
 北基協は全基連の全国展開に際し、組合員から希望を募ったところ11社が興味を示し、4日に組合事務所で説明会を開いた。
 全基連の幸保英樹専務理事は「建設現場は、建設投資額の減少や少子高齢化の進展で労働者の需給バランスが崩れている。この事業には組合員が相互に労働力を補い合うメリットがある。悪質業者の排除にもつながる」と説明した。
 小坂理事長は「非常に興味がある。工事が減る冬場は首都圏などに人材を送り、仕事が忙しくなれば組合の仲間うちで人材をやり繰りできる。内容を十分に知った上で、前向きに検討する」と語る。
 認定審査は8月と2月の年2回で、来年2月の認定に間に合えば、4月1日の全国展開に合わせてスタートできる。
 道内の建設団体としては、ことし9月に日本塗装工業会(日塗装)道支部の組合員が初めて認可を取り、教育訓練など派遣の準備を進めている。