建通新聞社四国
2009/11/10
【愛媛】2圏域の地域医療再生計画案まとまる 県
愛媛県は、2009〜13年度を対象にした八幡浜・大洲圏域(八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町)と宇摩圏域(四国中央市)の地域医療再生計画案をまとめた。それぞれ救急医療体制の再構築などに向け、主要病院の建て替えや愛媛大学医学部内での(仮称)地域医療支援センター整備といった複数の事業を盛り込んでおり、国が計画を承認すれば一部事業費に交付金を充当できる。交付額は2圏域それぞれ25億円が見込まれており、順調なら10年1月ごろに交付決定、10年度から事業が本格化する見通しだ。
八幡浜・大洲圏域の計画は、初期救急医療機能の拡充や、輪番体制の再編による新たな広域2次救急医療体制の構築などがポイント。計画推進のための総費用は、全県的な取り組みの費用を合わせて約206億円になる。
主要病院の建て替えなどに関する事業としては▽市立八幡浜総合病院整備(計画事業年度10年度以降)▽西予市立宇和病院整備(同11〜13年度)▽大洲中央病院整備(同11〜12年度)▽内子町新病院誘致(同10年度)▽市立大洲病院改築(同10〜12年度)▽喜多医師会病院改築(同11〜13年度)─などを盛り込んだ。所要経費としては151億1939万円、うち基金負担分は4億円を見込んでいる。
一方の宇摩圏域の計画は、新たな中核病院の形成を核とした地域医療体制の再編強化や初期救急医療機能拡充などがポイント。全県的な取り組みを含む計画推進のための総費用は約110億円。
中核病院の形成に向けては、四国中央病院と石川病院が施設整備事業(同10年度)を進める計画。四国中央病院は県立三島病院建物などの譲渡を受けて(仮称)三島医療センターとして改修、石川病院は施設を建て替える。これら2病院の事業の、医療機器整備も含めた所要経費は79億8126万円、うち基金負担分は18億5000万円の見込み。
四国中央病院は将来的に、本院を三島医療センターの場所へ移設統合する方針でもいる。
また初期救急医療機能拡充に向けては、市と宇摩医師会が、旧宇摩医師会館に開設されている市急患医療センターの移転整備事業(同10年度)を進める計画。移転先としては現宇摩医師会館の敷地内を想定している。診療時間延長や医師確保も含めた所要経費は1億0380万円、うち基金負担分は7060万円の見込み。