北海道建設新聞社
2009/11/10
【北海道】札幌駅北口再開発、50階建てマンションなど計画
札幌市北区のJR札幌駅北口「北8西1地区」で、組合施行による第1種市街地再開発事業が動きだす。計画素案によると、地上50階建て、高さ約170mの住居棟を中心に、業務棟や商業棟からなる延べ15万4000m²の施設を構想。2012年度の着工を目指す。完成すれば、北区北8西3に建つ大和ハウス工業の分譲マンションを抜き、道内で最も高いタワー型マンションとなる。
事業名称は、札幌駅北口8・1地区第1種市街地再開発事業。施行者は札幌駅北口8・1地区市街地再開発準備組合(田中重明理事長、組合員22人)で、7月31日に準備組合を設立。事業協力者は伊藤組土建、大成建設、事業コンサルタントにはドーコン、日本設計が参画している。
計画素案によると、施設規模は住居棟が50階、延べ10万9000m²で約890戸を供給。ほかに業務棟が13階、延べ2万3000m²、商業棟が2階、延べ5000m²、駐車場棟が延べ1万7000m²で計画。併せて街区周辺では、快適な歩行者動線などに配慮し、地下歩行空間などを視野に入れた歩行者ネットワークを創出する。
また、施設を構成する住宅・業務・商業の3つの機能のほか、北8条通に面する南側は、屋外広場やアトリウムからなる「にぎわいゾーン」を配置。南西角には「まちかど広場」を設け、アトリウムと連続した憩いの広場にする。
スケジュールは、11年度に市の都市計画決定を経て、本組合設立と権利変換計画の認可手続きに着手。施設は12年度に着工し、15年度の完成を予定している。
施行区域は、国が指定した都市再生緊急整備地区内にあり、西側には北海道開発局などが入る札幌第1合同庁舎、北側には北九条小学校が建っている。
現況はJR札幌駅から約350mと恵まれた立地条件にありながら、店舗や事務所、住宅など老朽化した低層の木造建築物が多く立地し、土地の高度利用が進んでいない。
同じ札幌駅北口エリアでは、北8西3東地区第1種市街地再開発事業で、05年に大和ハウス工業が40階建て、高さ143mの「D’グラフォート札幌ステーションタワー」を建設。これが分譲マンションとしては道内最高層となっている。
北8西1地区の再開発をめぐっては、1991年に協議会、07年2月に再開発準備会が立ち上がり、事業化の検討を進めてきた。札幌市もこうした地元の再開発の機運を踏まえ、08年には「北8西1地区再開発基本計画」を策定している。