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北海道建設新聞社
2009/11/09

【北海道】道が総合評価改定案−技術評価の配点引き上げ

 道建設部は6日、道建設業審議会第2回総合評価方式検討専門委員会(委員長・高野伸栄北大院准教授)を第2水産ビルで開き、2010年度からの実施を予定している総合評価方式の改定案を示した。改定案では、総合評価方式の適用を一般土木でA等級が対象となる予定価格9000万円以上の工事からとするほか、除算方式の適用をWTO対象工事に限定し、それ以外では加算方式へ移行。技術評価の配点を引き上げ、価格と技術の評価を最大1対1まで引き上げることを検討する。評価項目では、新たに手持ち工事量とマイナス評価の設定を検討する。同部では、改定案で今後の検討項目などを示したもので、来年2月までに最終案を決定する。
 今回の見直しは、適用区分、評価方法、評価点の算出方法など総合評価方式の在り方全般にわたる。今回の審議会では、改定案を委員に提示し、委員会での議論、今後の道庁内部での議論を経て、来年2月に正式決定する。見直しでは、評価方法などの検討のほか、低入札工事への対応として、総合評価方式への最低制限価格の導入、または、低入札調査基準価格制度における失格判断基準の設定方法についても一つの焦点となる。
 改定案で示した適用区分では、これまで対象を予定価格2500万円以上からとしていたが、これを9000万円以上の工事に引き上げる。予定価格9000万円以上の工事では、金額ごとに審査タイプを使い分け、5億円以上は従来通り標準型の評価方法とし、3億円以上工事は計画審査タイプ、9000万円以上で3億円未満工事では、難易度の高い工事を計画審査タイプ、難易度の高くない工事を施工実績タイプとする。
 評価値の算出方法では、加算方式へのシフトを図り、除算方式の適用は、WTO(政府調達協定)対象工事に限定。それ以外では、加算方式を適用するとした。
 価格と技術のバランスでは、価格評価のウエートを下げ、技術評価の配点を高めることを検討。すべてのタイプで、価格評価点を現行の45点から30点に引き下げることを検討する。施工計画審査タイプのうち、予定価格3億円以上の工事では、価格評価と技術評価を1対1までに引き上げ、価格評価点を30点(現行45点)、技術評価を30点(同20点)の配点バランスを目指す。
 技術評価30点の点数配分は、企業の実績に関する項目で15点、施工計画に関する項目で15点とする。3億円未満の工事では、技術評価を現行20点から25点に上げ、うち企業実績に関する項目で15点、施工計画に関する項目で10点とした。
 施工実績審査タイプは、技術評価点の15点は変えずに、価格評価点を現行45点から30点への引き下げを検討。また、同タイプでの低入札工事対応として、新たに「施工体制審査」の実施を検討。計画審査タイプで実施している確実性審査と同じ手法で、調査基準価格を下回る工事には、加算点に乗じ「係数β」を設定。係数βは、実績審査タイプでの平均得点数が満点15点に対し、3分の2の10点であることを踏まえ、「3分の2」とする。
 評価項目では、地域性や評価項目の多様化、土現の独自性などに着目し検討を加えることを検討。施工計画は、現行の配点5点を10点に引き上げ、企業の技術力評価を高めることや予定価格により配点を変化させること、設計変更への対応を追加検討する。
 企業の施工能力については、工事成績の配点について、過去の実績により評価が固定されることから、引き下げを検討。土現独自の表彰制度による評価を検討する。配置予定技術者については、配点見直しのほか、各土現の優良現場代理人表彰の評価を追加検討する。地域精通度は、配点のほか適用管内の範囲を見直す。地域貢献度は、除雪業務など道の施策・事業への協力度や技術者の通年雇用、まちづくりなど地域活動に関する表彰などを追加検討する。また、手持ち工事量の評価項目や虚偽申請や技術提案不履行などに対するマイナス評価の新設を検討する。
 道は04年度から標準型の総合評価方式、簡易型については06年度から試行を開始。今回の見直しは、試行開始以来の抜本的なものとなる。見直しのポイントは、複雑化した制度の交通整理と、技術力評価や地域性への配慮、低入札への対応が焦点となる。低入札対策では、調査基準価格から最低制限価格への変更、または失格判断基準の大幅引き上げなどがポイントとなる。