静岡市は、12月1日から最低制限価格と低入札調査基準価格の算定式を、中央公共工事契約制度運用連絡協議会の「新公契連モデル」(2009年4月モデル)に見直す予定。国土交通省の調べによると、全国の政令市では8月から導入した浜松市など、すでに10市が改定している。静岡県でも8月から改定済みで、今後、他の県内自治体にも新公契連モデルの導入が広がることが見込まれる。
国交省調査では、全国の自治体のうち、10月1日現在で15県10政令市が最低制限価格に新公契連モデルを導入している。低入札調査基準価格では、23県と9政令市が新公契連モデルに見直している。
一方、新公契連モデルよりも高い水準で、算定式を設定している自治体も目立つ。最低制限価格では、北海道や神奈川県など9道県、低入札調査基準価格では栃木県や新潟県など7道県が独自の算定式を運用し、最低制限・調査基準価格を引き上げている。
先日、本紙が行った県内自治体への入札・契約制度調査結果によると、県内自治体では最低制限価格を運用している22市町のうち、算定式を新公契連モデルに改定済みの自治体は2市1町(沼津市、浜松市、南伊豆町)と静岡県のみ。
同様に、低入札調査基準価格を設けている県内22市町で、新公契連モデルに改定しているのは6市1町(熱海市、裾野市、沼津市、富士宮市、牧之原市、浜松市、清水町)と県にとどまっている。
新公契連モデルの導入によって、調査基準価格と最低制限価格が2%程度アップし、価格の設定範囲が予定価格の「66・6〜85%」から「70〜90%」に引き上げられる。ダンピング受注や粗雑工事の回避などの効果が期待できる。
本紙調査によると、富士市が10年4月からの新公契連モデルへの改定を予定しているほか、伊東市や島田市でも見直しを検討している。今後、多くの県内自治体で、新公契連モデルへの移行を検討することが見込まれる。
提供:建通新聞静岡支社