北海道建設新聞社
2009/11/05
【北海道】補正で官庁増加、民間は低迷深刻−ゼネコン道内受注高
2009年4―9月期のゼネコン道内受注高ランキング(上位50社)がまとまった。首位に立ったのは前期(4―6月期)に続き清水建設で204億681万円。同社は道財務局の公務員宿舎月寒東住宅整備などの獲得で前期に134億7300万円上乗せし、08年同期比26.5%増とした。2位は前期に85億1900万円追加した伊藤組土建の140億129万円。石狩西部広域水道企業団の石狩西部浄水場1期浄水処理施設新設のほか、民間でも医療法人山の上病院の新病棟増築を受注した。3位は岩田地崎建設で129億1543万円。同社も前期に76億4900万円を追加し、石狩西部浄水場1期浄水処理施設新設、クリーンリバーフィネス麻生新築などを獲得した。50社の受注総額は、3000億円台を大きく割り込む2503億1436万円となり、08年同期に比べ706億円、22.0%の減少となった。官庁土木が871億935万円と29.9%増となったものの、民間建築が1000億円台ぎりぎりの1043億6804万円と、39.5%の大幅ダウンとなったのが響いている。
補正予算の効果で道内ゼネコンの大半が官庁土木で08年同期を上回り、総体的に官庁土木の受注額が押し上げられたが、一方で低迷が続く民間設備投資の影響は深刻で、民間建築を得意とする道外ゼネコンが後退しているのが目立っている。
清水建設は、公務員宿舎月寒東住宅整備を獲得した官庁建築で81億4240万円を受注。民間建築の52億5326万円に加え、官庁土木でも東日本高速道路道支社の道横断自動車道穂別トンネル東その3を射止め34億2888万円とした。
伊藤組土建は、民間建築が08年同期比29.2%減となったが、この部門で2位の71億494万円を確保。官庁土木も2倍の34億1378万円とし、08年同期と同水準を維持している。岩田地崎建設は、民間建築がこの部門トップの84億2811万円としたが、官庁土木が22.0%ダウンの33億6000万円となるなど、総額で08年同期を28.3%落としている。
4位の中山組は、08年同期10.0%減の92億1866万円。民間建築は40.5%減の24億1272万円だが、官庁土木は札幌開建の道央注水工舞鶴中央工区、同幌加工区、留萌開建の天塩川改修作返1号樋門などを射止め、62億3938万円を受注、この部門でトップに立っている。5位の三井住友建設は08年同期比79.5%増の85億3836万円。三井不動産レジデンシャルのパークホームズ北1条西14丁目計画新築などの受注で、民間建築を68億4967万円としている。
以下、6位のNIPPOは札幌開建の道央圏連絡道路千歳市寿IC舗装を、7位の戸田建設は北海道安達学園校舎新築を、8位の丸彦渡辺建設はオリックスが帯広市内に建設する仮称ショッピングタウン・スキップF開発を、9位の宮坂建設工業は食創が計画する有料老人ホームの仮称みのり帯広新築を、10位の岩倉建設は石狩西部浄水場1期浄水処理施設新設や留萌開建の深川留萌自動車道留萌市藤山3号トンネルを、それぞれ受注した。
分野ごとの上位5社を見ると、官庁土木は@中山組A道路工業B岩倉建設C北海道軌道施設工業D清水建設、民間土木は@NIPPOA前田道路B清水建設C札建工業D鹿島、官庁建築は@清水建設A伊藤組土建B西松建設C山崎建設工業D菱中建設、民間建築は@岩田地崎建設A伊藤組土建B三井住友建設C戸田建設D清水建設―の順。
50社の受注総額は08年同期比22.0%減の2503億1436万8000円で、そのうち官庁合計は3.9%増の1097億7924万円、民間合計は34.7%減の1405億3212万8000円。
土木の合計は12.2%減の1232億7644万5000円で、官庁は29.9%増の871億935万9000円、民間は15.5%減の361億6708万6000円。建築の合計は39.8%減の1270億3792万3000円で、官庁は41.2%減の226億6988万1000円、民間は39.5%減の1043億6804万2000円だった。