静岡県建設業協会昭和会は26日、東京・千代田区のルポール麹町で秋季研修会を開き、政治評論家の森田実氏をはじめ、国土交通省担当官を講師として建設業を取り巻く現状を学んだ。森田氏は「今のままいけば民主党政権はもたない。景気対策をしないと生き残れない」と指摘するとともに、「地方の問題を解決するには公共事業をやるしかない」と主張した。
冒頭、中村信吾代表幹事があいさつし「先行き不透明で、2010年度の経営の見通しも立てにくい」と訴え、今回の研修会を役に立ててほしいと呼び掛けた。
特別講演の講師の森田氏は、現在の状況を経済指標から見て不況が深刻化していると判断、それにもかかわらず「新政権には自覚がない。財政再建至上主義がまかり通っている」と厳しく批判。
また内需拡大には国内生産を高めるしかないとし、「政府が関与しやすいのは公共事業であり、『公共事業をやることはない』というのはとんでもない。日本国は荒野と化しつつある」と述べた。
国交省本省からは、大臣官房技術調査課の横山晴生課長、同課の池田豊人技術企画官、道路局地方道・環境課の吉崎収課長、総合政策局建設業課の小林靖入札制度指導室長の4人が、それぞれの担当施策の現状を説明。
この中で吉崎課長は、高速道路の交通安全への寄与といった、これまで見逃していた道路の機能を発掘し、きちんと国民に説明する必要性があると指摘。池田技術企画官は、清水港の「みなと色彩計画」などを例に挙げて「皆さんの力でいい静岡にしてほしい」と呼び掛け、高品質なまちづくりへの取り組みを勧めた。
横山課長は、三者会議やワンデーレスポンスなどの取り組みをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)で効率的に行う試みを、直轄工事で今後本格的に実施する方針を示した。小林室長は「低入札価格調査による排除件数は少ない。工夫の限界を超える価格は『おかしい』と排除すべきだ」と述べた。
このほか、静岡国道事務所の小川智弘所長はじめ県内3事務所長が、各事務所所管事業の現状を紹介した。
建通新聞社 静岡支社