静岡県は、2010年度の当初予算編成に当たって、補助金など長期継続事業の見直しや事業の重点化・効率化を進め、徹底した「歳出のスリム化」に取り組む構えだ。加えて、川勝平太知事が提唱する「事業仕分け」の結果分析を踏まえて適切な予算を計上するなど、「予算を使い切る意識の改革」を実行する。部局別・事業別の予算編成方針は明らかにされていないものの、効率化のための数値目標(マイナス15%以上)を前提に部局調整案が作成される。そのため、建設部や産業部などの建設事業を所管する部局にとっては、過去数年以上に厳しい予算編成が余儀なくされそうだ。19日、各部局長、教育長、企業局長、警察本部長などに対して通知した。
県では世界的な景気低迷を受けて、県税などの減収が見込んでおり、財源不足が拡大することを懸念している。本県の財政を取り巻く環境は、「近年になく厳しい」事態を想定している。
そこで、当初予算編成に当たっては、健全財政の枠組み堅持を基本線に編成方針を固めた。
まず、長期継続事業の見直しや重点化・効率化に取り組むほか、必要性が低下した事業の廃止など「スクラップ・アンド・ビルド」を徹底する。業務の廃止や民間委託などの一層の活用を図り、「事業仕分け」の結果分析を受けて適切な予算を計上する。
さらに、未利用財産の売却、特定目的基金の有効活用、予算削減効果を評価する制度の導入による意識改革を進める考えだ。
一方で、従来と同様に「年間総合予算」としての編成の徹底も打ち出している。年間所要額を精査して予算計上額を最適化し、年間ベースでの予算編成を徹底する。
建設関連事業についても、まず義務的事業については年間所要額を精査して予算計上することになる。その他の事業については効率化のための数値目標を踏まえて、徹底した歳出のスリム化に着手する見通し。
部局ごとの予算の骨格を示す部局調整案の作成に当たっては、事業の見直し・廃止で7%、実質的な削減で5%以上の基準を設けている。そのため、10年度当初予算では、社会基盤整備などの投資的経費が抑制されることも予想される。
建通新聞社 静岡支社