千葉県建設人材確保・育成協議会(会長:辻村昌昭・淑徳大学総合福祉学部教授)の主催による「教育機関と建設業界との情報交換会」が16日、千葉市内のオークラ千葉ホテルで開かれ、関係者約30人が出席した。
会議に先立ちあいさつした辻村会長=写真=は、まず、同協議会が当初、91年に若年建設従事者入職促進協議会として設置したことをはじめ、当時の建設業界は活況を呈し、人手不足が慢性化の状況にあり、若年建設従事者の入職者もかなりの数をかぞえたことに言及。近年の建設業界については「公共事業の激減に加え、アメリカ発の世界的な不況から、求人関係は大変厳しい状況が続くとともに、今般の政権交代により、産業構造の変換を求めるようなかたちで、ハードからソフトに移りつつある」と指摘。
一方、この日の会議については、「これからの建設業を担う若い人材をどのように入職させるかが重要な課題であることから、行政機関、教育機関、業界代表者をはじめ、過去に高校生の建設現場実習を受け入れている企業の皆さんに出席頂いた。忌憚のない情報交換により、今後の建設業界における若年者の入職促進の一助にしていきたい」と述べ、あいさつに代えた。
この日の情報交換会は、情報発表と意見交換で構成 このうち、情報発表は、@千葉県における建設雇用情勢(千葉労働局)A千葉県における建設業の現況(県県土整備部)B千葉県における実業教育の状況(県教育庁)C08年度新規高等学校卒業者の進路動向(県高等学校教育研究会進路指導部会D教育現場の状況及び建設業界への要望(各出席高等学校)E建設業界の状況及び若年者雇用・定着策等(各業界団体・各建設事業主)F08年度建設現場見学会・職業体験学習会実施状況((社)千葉県建設業協会)――について行われた。 特に、高等学校5校(5教諭)による「教育現場の状況及び建設業界への要望」と、各業界団体や各建設事業主 (4人)による「建設業界の状況及び若年者雇用・定着策等」についての発言内容は圧巻で、建設系の工業高校や建設業界が抱えるさまざまな問題を浮き彫りにした。
提供:日刊建設タイムズ