北海道建設新聞社
2009/10/15
【北海道】建設業の農業生産法人数、撤退で初の前年割れ
2009年9月末の建設業の農業生産法人関連企業数が、08年同期に比べて1社少ない59社となったことが、道農政部の調査で分かった。建設業の企業数が、前年を下回ったのは05年の調査開始以来初めて。過去に法人を設立した企業の一部に、農業から撤退する動きが出始めたことなどが関係している。農業経営課は「建設業による農業参入は一段落した感がある」と話している。
09年9月末の農業生産法人数(全産業)は、08年同期に比べて11法人多い111法人で、関連企業数は、15社多い144社となっている。
構成企業の内訳は、建設業が全体の41%を占める59社、食品関連が21.5%の31社、資材等販売業は4.9%の7社、農作物販売業が6.2%の9社、その他業種が26.4%の38社。
業種別では、建設業が依然として最多だが、全産業に占める割合は08年同期を5.5ポイント下回っており、建設業による農業参入の鈍化傾向を裏付けている。
農業に参入した建設業の企業数(9月末)は、05年が43社、06年が46社、07年が54社、08年が60社で、08年までは右肩上がりの状態だった。
農政部では、減少要因を分析していないが「思うように収益を上げられず、過去に法人を設立した企業が農業から撤退する動きが増えている」と推察。公共事業縮小で、多くの企業が建設業本体の経営に特化せざるを得なくなっていることも関係してるとみている。
建設業の参入形態として最も多いのは、08年と同じく経営者や役員が法人の構成員となるもので、59社中44社までがこのケースだった。営農形態は畑作、畜産、野菜が多く、この3分類で全体の8割超を占めている。参入理由は従業員の雇用確保が最多で、事業拡大、遊休農地対策の順に続いている。