北海道建設新聞社
2009/10/13
【北海道】サンルダムの開札は中止へ−前原国交相が方針
前原誠司国交相は、9日の閣議後の記者会見で、2009年度におけるダム事業実施に関する方針を明らかにした。国と水資源機構が実施している56のダム事業については、本体工事など新たな段階には入らないこととした。09年度に本体工事に入るダムは、直轄でサンルと平取の2つのダムとなっており、いずれも北海道開発局実施分。水資源機構は3ダム。サンルダム(下川町)については、今回の大臣見解により、12月の開札が事実上中止となった。また、平取についても、転流工に向けた関連工事には着手しないことが明らかになった。
前原国交相は、国と機構が実施している56事業のうち、施設機能向上の8事業を除く48事業について、09年度内に@用地買収A生活再建工事B転流工C本体工事―の4段階には新たに入らないことを基準として示した。
河川局の説明によると、本体工事に入るのは、平取とサンルの2ダム。基準に沿って、新たな段階に進まないため、入札公告中で、参加業者とのヒアリングが行われてきたサンルダムに関しては、事実上、開札の中止が決定した。
平取ダムについては、10年度に本体(転流工)着工が8月の10年度概算要求では示されていたが、09年度に予定していた本体にかかわる工事用道路などの準備工も、新たな段階と判断されたもようだ。このため、7日の開札が延期されている工事用道路も中止となる可能性がある。
また、本体工にかかわる調査設計関係の業務の執行に関しては、「現時点での取り扱いは決まっていない。整備局などと相談することになるのでは」(河川局)と話している。
一方、補助ダムに関しては「09年度については、各都道府県知事の判断を尊重する」(前原国交相)と話している。10年度予算での取り扱いについては「国、機構、補助いずれも、政府予算案の提出までに基本的な方針を明らかにする」(同)としている。
この中で補助ダムに関しては「基本的には知事の判断を尊重するが、補助金を出すかどうかはわれわれの判断。今後の方針を固めていく中で、知事と相談させていただくこともあるかもしれない」(同)と、状況によっては補助の中止を求めることも示唆した。