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建通新聞社(中部)
2009/10/09

【岐阜】病床は230床規模に/下呂温泉病院移転新築で県が基本プランまとめる

 施設の老朽化などで「県立下呂温泉病院」の移転改築を計画している岐阜県は、新病院の基本プランをまとめた。近隣の医療機関と連携し、患者ニーズに応えるコンパクトな病院を目指す考えで、病床数は230床、事業費約88億円を見込む。2012〜13年度で建設工事を進め、14年度上期中の会員を目指すとしている。今後は10年度からの基本設計着手に向け、09年度末までにプロポーザル方式による設計者選定を予定しており、近く参加者の公募を開始する方針だ。プロポーザル方式の事務手続きは都市建築部公共建築住宅課が担当する。
 基本プランによると、新病院の基本コンセプトは、地域の中核病院、へき地医療の拠点病院として「生活の場の医療」を県立病院の立場から創設し、地域住民・県民から信頼され必要とされる病院づくりを目指すため、@地域医療・へき地医療の拠点的機能を有する病院A岐阜県飛騨南部地域の医療水準を向上させる中核的総合病院B地震などの大規模災害発生時に確実に機能維持できる病院C終末期医療(入院・在宅)の実施と患者QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の高いサービスを提供する病院―とする。
 新病院の規模など整備概要は、下呂市森地内の県土地開発公社先行取得地約2万8000平方bを取得し、事業費約88億円を投入じて地上6階程度(免震構造)で延べ約1万8500平方bの新病院を建設する計画。駐車場台数は約500台、このほかヘリポートも見込む。
 特徴は、230床のうち約9割を個室化するなど、アメニティとプライバシーを重視し、急性期病院として患者の多様性に対応できる設計とするほか、免震構造で大規模地震時の診療機能の確保を図る。このほかヘリポート設置による急性期医療の機能強化と岐阜地域などの高度・先進医療機関との連携強化、地域医療研修センターの拡充、休憩室・リフレッシュルームの設置による職員の労働環境の向上―などを目指すとしている。
 今後の整備スケジュール案は、09年度下期に設計者選定プロポーザルの実施、10年度上期に基本設計、10年度下期から11年度末まで実施設計、12年度から13年度にかけて新病院の建築工事と外構工事を実施し、14年度上期の開院となる運び。なお、10年4月から同病院は独立行政法人化することになっている。事業推進はこの独立行政法人が執行するかたちになるため契約はすべて同独立行政法人が行うが、工事入札などの事務業務は県が代行して行う見通し。
 同病院は1953年の開院以来、南飛騨地域の中核病院として機能してきたが、本館が築40年以上を経過するなど老朽化や狭あい化が目立ち、耐震性も基準を満たしていないほか、慢性の駐車場不足の解消を図る必要もあり別地に移転することにした。規模は鉄筋コンクリート造6階建て延べ約1万8500平方b(325床)。1963年12月に研修棟、67年3月に診療本館、80年12月にリハビリ棟などを整備している。
 基本プラン作成は日本コンサルタントグループ名古屋営業所(名古屋市中村区)が担当した。