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建通新聞社(静岡)
2009/10/02

【静岡】県 知事は医大の必要性訴え。整備手法検討へ

 静岡県は、県内の医科大学新設について、国が今後示す医学部設置方針の動向を見据えながら、設置主体や整備手法、設置場所などの検討に着手する。県議会9月定例会で、川勝平太知事は「県内の医師不足は深刻。抜本的な問題の解消に向けて医師の養成機関は必要」と答弁。設置時期などは明言しなかったものの、新たな医大の設置に意欲を見せた。今後、厚生労働省が将来的な医師の需給・養成方針を示す予定であるが、県では誘致・新設を含めて、厚労省に医大の必要性を要望していく考えだ。
 現在、国では事実上、「医師過剰」を理由に医大の新設を認めていない。私立大学は1974年、国公立大学は79年を最後に医学部・医科単科大学が設立されていない状況だ。県内の医大は、浜松医科大学(浜松市東区半田山1ノ20ノ1)のみ。
 ただ、政権与党である民主党が8月の衆院選で「医学部学生を1・5倍に増やす」という政権公約を掲げた。政権交代という期待感も高まり、既存医学部の定員増や新たな医学部の設置、新大学の設立などの可能性も出ている。
 川勝知事は「医師確保策は各自治体が抱える大きな課題。国は将来的に必要な医師数を示すべき」と指摘。医大の設置場所については、県西部に浜松医大があるため、県東部への設置を軸に検討する見通し。
 一方で、医学部への併設が義務付けられる付属病院の設置場所や、県内各圏域ごとに定められている病床数の調整など課題も多く抱える。
 いずれにしても「今後、国が明示する医師養成方針に沿って、設置主体や大学病院の設置場所など具体的な方策を探る」(県厚生部管理局政策監)考えだ。
 08年には、藤枝市の北村正平市長が市議会9月例会で同市内に医大を誘致する構想を示している。他の県内自治体でも、医大誘致の機運が高まりつつある。

建通新聞社 静岡支社