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日刊建設タイムズ社
2009/10/01

【千葉】ため池新規2地区で実施設計に着手/県安房農林振興センター 川谷はNTC、笹神は日本水工コンサル

 県安房農林振興センターは、県営ため池等整備事業の川谷地区(鴨川市)と笹神地区(南房総市)の実施設計を委託した。両地区は今年度の新規採択地区で、来年度に着工する。事業期間は09−13年度の5か年。総事業費は川谷地区が1億6800万円、笹神地区が1億円。両地区は、老朽化による洪水吐の劣化による漏水や崩壊が懸念されるため堤体の改修などを実施する。
 設計は川谷地区をNTCコンサルタンツ(本社:名古屋市中区千代田2−16−10)、笹神地区を日本水工コンサルタント(千葉事務所:千葉市中央区祐光4−25−5)が担当。委託額は川谷地区が750万円、笹神地区が320万円。
 堰は、川谷地区が川谷堰、笹神地区が笹神堰。川谷地区の水系及び河川は加茂川水系二級河川川音川。堰の所在地は鴨川市成川地先。かんがい面積は53.0ha。笹神地区の水系及び河川は三島川水系三島川。所在地は南房総市安馬谷地先。かんがい面積は11.4ha。
 笹神堰は140年以上経過した老朽ため池で、堤体上流法面欠落の状況が著しく脆弱化している。現在もパイピングによる漏水が著しく、水位を下げて管理し、漏水により下流水田が耕作不能で、余裕高不足等危険な状態にある。下流域には人家や市道が点在することから災害の予防が急務となっている。
 川谷地区の取水施設は既設(竪樋)を利用する。また底樋は、現況隧道部は既設利用とし、新規盛土部に新設する必要がある。緊急放流工が現況に設置されていないため計画する。改修補強工法は、底樋が開削工法(ボックスカルバート工B1.4m×H1.4m)で、斜樋式ため池栓(φ200×2個)。洪水吐は、全体的にコンクリートの劣化が著しく、とくに急流部側壁では、磨耗、剥離、剥落、クラック、鉄筋露出等がみられ、崩壊の危険性がある。また、洪水能力が不足していることから、既設洪水吐を撤去し、新たに側水路式の洪水吐を設置する。改修補強工法は側水路型洪水吐に改修する。堤体は余裕高をとるため嵩上げし、前法の侵食防止のため、法面保護工を行う。
 笹神地区は、86年改修済みの取水施設は十分使用できるため現況利用する。緊急放流工並びに維持管理の底樋ゲートを洪水に設置する。改修補強法=斜樋式ため池栓(φ120)を現況利用する。洪水吐は地山(岩)開削の水路となり、岩面の風化が進み、現況能力が不足であることから、右岸同位置にコンクリート造の越流堰を設置し下流へ導水する。改修補強工法は遮水シートにより遮水工を設置する。堤体は遮水シート及びサヤ土により堤体補強し、自然石により上流断面の保護する。

提供:日刊建設タイムズ