国土交通省清水港湾事務所は、物流動向に合った港湾整備が求められている中、御前崎港をケーススタディーとして、荷主の実情に応じた港湾整備の方向性や整備効果、経済効果について把握するため、「地方の港湾を核とした地域活性化方策」の検討に着手した。
標準プロポーザル方式で三井共同建設コンサルタント中部支社(名古屋市千種区)を選定し、進めている地域活性化方策の検討では、貨物流動状況(現況・将来)・船型動向・利用ニーズなどの把握や、既存ストックの活用方策・新たな整備方策を探る。
現況と将来の貨物流動状況の把握は、背後圏のコンテナ船、ロールオン・ロールオフ貨物船(RORO船)とバルク貨物などの流動把握のため、既存の統計資料・報告書などを活用し分析、利用港湾と将来貨物量について整理する。船型動向の把握は利用船舶について、利用ニーズ把握は企業ニーズについて、それぞれ既存の統計資料・報告書などを活用し整理する。
収集・整理した資料を基に、整備の方向性を探るが、他港との利用状況比較、現状の岸壁利用状況を考慮した上で、既存ストックを活用した場合の実施の実現性、課題について検討する。
その結果を踏まえ、必要となる新たな施設・御前崎港多目的国際ターミナル整備の可能性について検討するとともに、整備効果を試算する。また、多目的国際ターミナル整備が及ぼす地域経済への影響を地域経済指標などを用いて分析する。
「B/C(ビーバイシー)のような単なる経済波及効果だけでなく、港を整備することでどのように地域が変わるのか、新しい切り口での整備や利用の仕方を検討していきたい」(清水港湾事務所)としている。
2010年1月28日までの期間で、2回の中間打ち合わせを経てまとめる。
建通新聞社 静岡支社