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建通新聞社四国
2009/09/25

【愛媛】業者間競争の激化傾向を反映/8月末で6・8% 県の低入札発生率

 愛媛県が2009年度に入って8月末までに行った予定価格250万円超の工事入札1196件のうち、81件で低入札が発生したことが県のまとめで分かった。発生率は6・8%と08年度通年より1・2ポイント高く、継続している業者間競争の激化傾向を反映した格好だ。ただし低入札価格調査制度を導入している県は、工事品質の低下や下請けへのしわ寄せなどを懸念し、低入札案件で8月末までに調査が完了(打ち切りを含む)した65件のうち57件、率にして08年度より20・4ポイント高い87・7%で落札を認めなかった。県は、設計金額3000万円未満を対象にした最低制限価格制度の10月導入を決めており、これもダンピング排除の面では一定の効果が期待できそうだ。
 落札が認められなかった57件のうち、52件は失格判断基準への抵触や技術者の増員配置不能などにより調査が打ち切られた。残り5件は、調査の結果「不適」と判断されたが、これは最後まで調査が行われた13件のうちの38・5%にあたり、08年度より13・5ポイント高い。
 低入札の発生率は、調査基準価格公表時期の事後への変更や失格基準価格導入が行われた07年度に、前年度より2・2ポイント高い2・9%へと一気に上昇。失格基準価格の失格判断基準への切り替えや調査基準価格の見直しなどによって調査制度がより厳密化された08年度には、さらに2・7ポイント高い5・6%となっていた。
 県はこの6月にも調査基準価格と失格判断基準の見直しを行い、調査・失格対象の幅を実質広げた。これも09年度の低入札発生率や落札否認率の上昇に影響していると見られる。
 10月に導入される最低制限価格制度では、案件ごとに予定価格の80%から90%の範囲で同価格が設定される。この下限は、県会計規則により調査基準価格のものより10ポイント高くなっているほか、入札価格が制限価格を下回れば調査によらず落札できない。
 同制度導入の目的は、不適切な入札を速やかに排除し、調査期間中の技術者待機による経営圧迫といった弊害を減らすことなどにあるが、安易な低入札の抑制にもつながると考えられる。