建通新聞社四国
2009/09/18
【愛媛】3千万未満で最低制限価格導入へ 松山市
愛媛県は、工事入札に関して低入札価格調査制度を基本としている低入札対策を見直し、設計金額3000万円未満を対象に最低制限価格制度を導入することを決めた。案件ごとに予定価格の80%から90%の範囲で同価格を設定し、入札価格がそれを下回れば落札を認めない。10月1日以降に公告・入札通知する案件から適用する。
県は現在、低入札価格調査制度を予定価格250万円超の工事入札で適用、調査により工事品質の低下や下請けへのしわ寄せなどが懸念されると判断されれば落札を認めていない。さらに失格判断基準も設け、調査対象になった入札の費目ごとの積算が設計金額に対して▽直接工事費75%▽共通仮設費70%▽現場管理費60%▽一般管理費30%─のいずれかのラインを切っていれば失格としている。
しかしこのところ、価格競争の激化によって低入札が増加しており、調査期間も長期化。結果が出るまでは調査対象以外の入札参加者を含めて配置予定技術者の待機などを強いられる、といった弊害も出ている。
そのような状況を踏まえて県は、技術者待機による経営圧迫を特に受けやすい小規模事業者が参加する工事入札を対象に、制度の切り替えを決定。不適切な入札の速やかな排除を図ることにした。
最低制限価格制度の対象範囲は、県が設計金額3000万円以上の工事入札を対象に本格実施している総合評価落札方式が、関係法令などにより同制度の併用を制限されていることも踏まえて決めた。この制限があるため、3000万円未満でも、一部の総合評価落札方式試行対象では、今後も低入札価格調査制度を適用する。
一方、今は低入札価格調査制度の対象外(自動落札制)としている予定価格250万円以下の案件にも、最低制限価格制度を適用することになる。
最低制限価格の算定式は、低入札調査制度で用いている調査基準価格のものと同じ。ただし設定範囲の下限は、調査基準価格では予定価格の70%としているが、最低制限価格では県会計規則に基づいて80%とした。設定価格は事後に公表する。