静岡県は、1時間当たり100_を超えるような集中豪雨が発生した際、孤立集落の発生を防ぎ、安全に避難できる場所を確保するため、県内21カ所の急傾斜地などで「土砂災害防止・緊急豪雨対策事業」を実施する。事業のメニューは、急傾斜地崩壊対策・砂防・治山の3事業で、2009年度から10年度までの2カ年で10億円を投入。09年度は17カ所を対象に、擁壁工や山腹工などで土砂災害防止施設を整備する。
近年、局所的に集中豪雨が頻発し、全国的にも中小河川や小流域の浸水被害が増加している。このような状況の中で、家屋や緊急輸送路などの浸水被害の解消や住民が安全に避難できる環境の整備が急務となっている。
そこで、短期間で事業効果の発現が見込める緊急対策事業として、中山間地域など孤立予想集落内に安全な場所や避難経路を確保することができる土砂災害防止施設を整備する。
具体的な整備手法として、急傾斜地崩壊対策事業では、がけ崩れ災害の危険性が高い斜面に対して擁壁工などの対策を講じる。砂防事業では、局所的に流下能力が低下し災害の危険性が高い個所の断面を拡大させる。さらに、治山事業では土砂災害の危険性が高い山地への山腹工などの斜面対策を実施する。
09年度は5億円を投じて、17カ所の整備に着手する。10年度も5億円を予算計上する予定で、全21カ所の整備を完了させる見通し。急傾斜地などを所管する各土木事務所が工事発注する。
緊急豪雨対策として整備が固まっている、主な個所は次の通り。
〔急傾斜地崩壊対策〕
▽口野舟木B(沼津市口野)▽神出山(下田市大沢)▽横山出口(静岡市葵区横山)▽相俣向山(静岡市葵区相俣)▽黒俣焼見堂(静岡市葵区黒俣)▽滝沢北開戸(藤枝市滝沢)▽柳瀬(浜松市天竜区水窪町奥領家)▽仇山(浜松市天竜区春野町気田)▽浦川河内(浜松市天竜区佐久間町浦川)▽唐井栗(浜松市天竜区小川)
〔砂防〕
▽上多賀大川支川(熱海市)▽藁科川支川坂本川(静岡市葵区坂本)▽オバン沢(藤枝市岡部町岡部廻沢)
〔治山〕
▽柳島・平田沢(小山町)▽西浦立保・四ツ澤(沼津市西浦立保)▽一色・赤根沢(西伊豆町)▽昼居渡・大ヨセ(静岡市)▽花沢・前山裏(焼津市花沢)▽奥泉(川根本町奥泉)▽奥領家・西浦(浜松市天竜区水窪町奥領家)▽三倉・瀬戸山(森町三倉)
建通新聞社 静岡支社