県は11日、09年度9月補正予算案を発表した。一般会計の補正額は811億3400万円の増額で、9月補正予算としては過去最大規模となった。現計予算との合計は1兆6226億5800万円(前年度同期比10.6%増)となる。9月補正では、国の補正予算に伴う各種基金の造成やこれらの基金を活用した事業に要する経費のほか、経済対策のための公共事業の追加や企業収益の悪化に伴う県税の還付金などの経費などを計上した。
9月補正予算では、依然として厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、国の補正予算に伴い造成した基金や国からの交付金を活用し、雇用対策の充実、公共事業の追加などの経済・雇用対策を実施するとともに、福祉・医療、子育て支援や教育など、県民ニーズの高い分野の施策を追加、拡充した。
一般会計歳出のうち投資的経費は、国の経済対策にかかる公共事業の追加、特別養護老人ホーム建設事業補助の単価引き上げによる増額、さらに小規模な特別養護老人ホーム等の整備に対する助成の拡大などにより、約114億円の増額となった。
普通建設事業費は、9月補正額が82億6000万円で、補正後には1510億8600万円(前年度同期比14.0%増)となる。内訳は、補助事業が55億1100万円で計957億2900万円(同15.8%増)、単独事業が27億4900万円で計553億5700万円(同11.1%増)。
主な補正事業では、国からの交付金等を活用して、道路や河川などの災害防止や安全確保のための公共事業を緊急に実施。道路橋梁事業に16億6800万円、河川・海岸・砂防事業に34億900万円を追加する。
また、入所者の多い特別養護老人ホームの建設について補助単価を臨時的に引き上げ、緊急的に施設の整備を進めるほか、老朽化・狭隘化が著しい児童養護施設「富津学園」の建て替えのための基本設計を実施する。また、公的介護施設(小規模な特別養護老人ホーム等)の整備や社会福祉施設におけるスプリンクラーの整備に対する助成などを行う。
さらに、県立学校のエコ化を推進するため、太陽光発電設備の導入などを進める。
このほか、消防学校寄宿舎屋上防水工事(2000万円)、地産地消及び産直施設整備事業(3億6900万円)、市川航路浚渫事業(4408万円)、潮浜公園テニスコート改修(4293万5000円)、県立学校耐震化推進事業(債務負担行為4億3300万円)、警察本部分庁舎(科学捜査研究所)改修事業(600万円、既定とあわせ4500万円、ほかに債務負担行為7700万円)なども計上した。
提供:日刊建設タイムズ