北海道建設新聞社
2009/09/10
【北海道】道が総合評価の運用、配点など見直し「単純化」へ
道建設部は、総合評価方式の見直しに着手した。2009年度内に「簡易型総合評価方式試行ガイドライン」を改定し、10年度から新たな総合評価方式の運用を目指す。複雑化した総合評価方式の考え方、評価方法などを整理し、現行より単純化した総合評価方式の確立を目指す。議論の進み具合により、来年のゼロ国債などから、一部を改正し、運用する可能性もある。
9月9日、道建設業審議会(座長・阿座上洋吉地域経済研究所理事長)に総合評価方式検討委員会を設置し、札幌市内で第1回委員会を開催。10年2月までに3回開き、総合評価方式の適用の考え方、評価値の算出方法などについて検討する。
道は04年度から標準型総合評価方式、06年度から総合評価方式の試行を始めている。一般競争入札の拡大とともに、総合評価方式の運用バリエーションが増え、現行では、金額や工事難易度などで、標準型、簡易型など5種類を運用している。
同部では、業界団体などからの意見を踏まえ、総合評価方式見直しの課題として@標準型や簡易型など適用の考え方A評価値の算出方法B評価項目の配点再検討―の3点に整理。9日の1回目の委員会では、入札契約制度の在るべき姿やその中での総合評価の在り方について意見交換。11月開催の2回目の委員会では、評価項目や配点などを協議する。
総合評価見直しでは、現行の枠組みより単純化したシステムを目指すほか、低入札調査基準価格以下の入札への対応や確実性審査の方法についても検討する。道は、最低制限価格引き上げ以降、除算方式タイプで基準価格を大きく下回る入札が出たことを懸念。先月、施工実績審査タイプでの加算方式実施を可能にするなど運用を変更。しかし、最低制限価格の引き上げにより、加算方式でもより価格重視の入札となりやすいなどの傾向も出ている。この日の委員会では、技術力評価や指名競争入札に近い形で透明性を高める必要性などについて意見が出されていた。
委員長は高野伸栄北大院准教授。委員は、清水康行北大教授、今野克幸道工大教授、小沢丈夫北大准教授、阿座上洋吉地域経済研究所理事長の4人。