静岡県は、8月11日に発生した地震に対する災害復旧や緊急地震対策を核とした、総額321億8600万円の9月補正予算案を編成した。投資的経費は72億7800万円で、地震防災対策の強化として、道路や河川などの地震災害復旧(9億3200万円)、防災力強化のための緊急的な公共土木施設の整備(10億円)、県立学校施設の耐震化前倒し(5億1900万円)などを盛り込んだ。さらに、景気悪化の影響を受けた中小企業者の資金需要に対応するため、経済変動対策貸付の融資枠を拡大(100億円)するほか、富士・富士宮特別支援学校高等部分校の整備を前倒し(3億2700万円)する。11日開会の県議会9月定例会に提案する。
今回の補正予算編成に当たって、駿河湾を震源とする地震に対する災害復旧や、緊急的な地震対策に関連する事業費を優先的に盛り込んだ。
加えて、6月補正予算に続き「本県の経済危機対策」を着実に実施できる施策にも手厚く予算配分。一般会計317億7900万円、特別会計4億0700万円の予算額は、2008年度比で284%増となる。
主な建設関連事業では、災害復旧関連事業に9億3200万円を計上。道路16路線などの公共土木施設や社会福祉施設、県立学校や県庁舎の復旧費に充てる。さらに、公共土木施設の小規模破損個所の緊急修繕や災害防除など防災力の強化を図るため、緊急防災対策として10億円を盛り込んでいる。
耐震性能が低い学校校舎については、計画を一部前倒しして耐震化を実施。5億1900万円で、土肥高校など18校・26棟を対象に耐震補強工事を行う。
震災時の児童生徒の安全を確保するために、校舎の窓ガラスに飛散防止フィルムを設ける。生徒の避難経路に面した2階以上の校舎の窓ガラスを対象に、2億を投じて98校(高校82校・特別支援学校16校)で施工する。
《富士・富士宮特別支援分校=新築へ計画を見直し・3億円余を計上》
特別支援学校の教室不足を解消するため、富士・富士宮特別支援学校の高等部分校整備を1年前倒しして行う。当初、既存校舎の活用による改修を計画していたが、整備手法を校舎の新築に切り替える。
新校舎の想定規模は、鉄骨造2階建て延べ1177平方b。分校の設置場所は、富士宮北高(富士宮市宮北町)に隣接する旧富士家畜保健衛生所の跡地。
今回の補正予算案では3億2700万円を計上しており、09年度内に整備を完了させる。本体工事の発注は早くて第3四半期になる見通し。
《融資枠拡大で中小企業を支援》
売り上げ減少により業績が悪化した中小企業を支援する「経済変動対策貸付」について、補正予算案に100億円を追加計上した。当初融資枠800億円と6月補正額300億円を合わせて年間融資枠は1200億円。建設業をはじめ受注難に苦しむ中小企業の経営改善をバックアップする。
建通新聞社 静岡支社