建通新聞社(中部)
2009/09/08
【三重】四日市港管理組合が長期構想を策定
四日市港管理組合は、概ね20年後の四日市港の将来像を描いた「四日市港長期構想」を策定した。将来像の中で、環境に重点を置いた港づくりや港の運営を港湾行政の基礎に置き、引き続き背後圏産業の発展を支え、都市・住民とともにある港づくりを目指す方針を示した。
長期構想の概要は次の通り。
〈物流面で背後圏産業の発展に貢献する港づくり〉
スーパー中枢港湾としての機能充実・強化として、現行の霞ケ浦北埠頭80号岸壁コンテナターミナルに連続する次世代高規格コンテナターミナルの整備を推進する。コンテナターミナルについては、ハード・ソフト両面で高度化(IT化、自動化)、低炭素化を進める。
臨港道路霞4号幹線の整備促進、南方面への道路を検討するなど臨港交通体系の充実を図る。
〈物流の安全・安心を支える港づくり〉
老朽化した施設(岸壁、荷さばき地、上屋など)の確実な更新を進める。船舶航行安全を確保するため、船舶の大型化に対応した岸壁、航路、泊地など港湾施設の整備と航路・泊地における水深の維持・確保に努める。
災害発生時の物流機能を維持するため、霞ケ浦北埠頭80号岸壁に連続する81号岸壁や四日市地区で耐震強化岸壁の整備を行う。
〈港の文化が醸成し、人々が憩い、楽しめる港づくり〉
ウォーキングコースを整備するなど既存緑地の質を高め、新たに緑地を整備し、アメニティ機能の充実を図る。プレジャーボートなどの小型船舶が適正に配置できる環境を整備する。
〈暮らしの安全・安心を守る港づくり〉
津波情報伝達システムの構築、注意喚起看板の設置、水門の遠隔操作などの導入を推進する。市街地に近い四日市地区で緊急物資輸送用岸壁などの防災拠点を整備する。
〈自然とふれあえる港づくり〉
新たな浅場の造成、白砂青松の海岸づくり、野鳥が飛来する緑地整備など自然環境の創造に取り組む。
〈地球にやさしい港づくり〉
太陽光や風力などの自然エネルギーを積極的に利用する。石原地区(浚渫土砂埋立区域)は、将来的に背後圏産業の成長を支援するための産業空間として活用する中で、循環型社会の構築に貢献するリサイクル産業などの立地可能性について検討を進める。