成田市は、今年度で「成田国際文化会館」(土屋303)の建て替えに伴う基本構想を策定する。基本構想では、周辺施設を調査し、施設機能、施設規模、概算事業費、事業手法などについて検討する。担当関係課の課長クラスで構成する検討委員会を設置する予定で、同委員会を中心に年度内に構想をまとめる。基本構想の策定は石本建築設計事務所(東京都千代田区九段南4−6−12)が担当。委託金額は159万5000円。工期は10年3月19日。基本構想をもとに、来年度で基本計画の策定に入る。
基本構想の策定では、利用の多い団体へのアンケート調査なども実施する予定で、利用ニーズを把握する。また、事業手法ではPFI手法についても検討する。建設時期については、新清掃工場、公津の杜複合施設整備やJR成田駅東口地区市街地再開発事業などの大型事業を抱えているため、これらの状況を見極めながら固めていく。
同会館は、1973年に計画を立案し、74年度に着工。74−75年度の2か年で建設し、75年3月に竣工した。建設後33年を経過しているが、改修により10年程度は耐用できる。ただ、大規模改修を実施する場合には、長期間の休館が必要になり、これを避けるため施設の老朽度などを勘案し、前倒しして施設を建て替えることになった。
新会館の建設場所は基本構想の中で検討するが、97年度に「教育文化施設建設事業」の用地として取得し、現在は駐車場として利用している約1.1haの敷地がある。ここに建設した場合には、施設を稼働しながらの建て替えが可能となり、有力視されている。
既存施設の規模はRC造(一部S造)地下1階地上2階建て延べ約6910u。施設は大ホール、小ホール、国際会議室、特別会議室、特別第2会議室、会議室、和室、料理教室などで構成。大ホールの客席数は1188席(1階930席、2階258席)。小ホールの収容人員は通常120〜180人で最大300人(椅子のみ)。国際会議室の収容人員は150人。
既存施設の設計は日建設計、工事は建築をフジタ、空調設備を第一設備工業、電気設備を六興電気が担当した。
なお、基本構想は指名見積もりで実施し、石本建築設計事務所のほか、日総建、横河建築設計事務所、パシフィックコンサルタンツ、相和技術研究所、日建設計の5社が参加した。
日刊建設タイムズ