野田市は、「不燃物処理施設(リサイクルセンター)整備運営事業」を高度技術提案型総合評価による設計・施工一括方式で業者選定を行う方針。今年度は不燃物処理施設整備アドバイザリー業務や環境アセスメント、地質調査、測量業務などを実施する。また、野田市清掃工場と関宿クリーンセンターについては、統合して移転改築する方針で、中里工業団地内のトステム野田工場跡地(中里3000)約1.8haを候補地に選定し、地元説明会を実施している。
リサイクルセンターは、調査費を6月補正予算で措置した。アドバイザリー業務と環境アセスメントは09−10年度の2か年継続費を設定。今年度事業費は継続費の当該年度事業費を含め総額約2349万円を計上。このうち地質調査と測量業務は委託済みで、地質調査は基礎地盤コンサルタンツ(東京都千代田区九段北1−11−5)、測量業務は富士技術サービス(野田市尾崎32−1)が担当。環境アセスメントは9月18日に一般競争入札を行い業者を決定する。またアドバイザリー業務は、地質調査や測量業務により地形の状況などを判断し委託する予定で、委託時期は11月ごろになる見通し。
同事業は当初、PFI方式により計画し、07年10月に入札を公告し、昨年1月に入札を行ったが不調となった。その後、昨年4月に再公告し、7月に再度入札を行ったが、これも不調に終わった。市では不調の原因として、事業者に建設用地の確保を求めたことがあると判断し、市が自ら事業用地を確保することになった。
建設予定地は野田市目吹高根地先の内山アドバンス野田工場跡地で、敷地面積は約1万4000uを見込む。PFIの要求水準書案では、施設規模を1日5時間以上稼働で一般廃棄物約6600t(不燃ごみ6500/年、不燃性粗大ごみ約100t/年)としていた。
既存のリサイクルセンター(野田市三ツ堀356−1)は10年3月31日に稼働を停止することが決まっている。既存施設は95年の稼働で、建物規模はS造2階建て延べ約1372u。新施設の処理能力は年間約6600tの計画。
一方、新清掃工場は、既存の野田市清掃工場と関宿クリーンセンターがいずれも老朽化していることから改築を計画。改築に伴い用地選定を進めてきたが、用地選定を進める中で、両施設の一体的整備が可能な用地が見つかり、2つの施設を1か所に統合し改築することになった。用地は中里工業団地内にあるトステム野田工場内の空き用地で、面積は約1万8000uある。用途地域は工業専用地域。用地は造成済みで、ライフラインが整備されている。処理能力は2施設を合わせた日量185t以上で計画。
野田市清掃工場は所在地が三ツ堀356−1地先。施設は85年2月に稼働し、処理能力は日量最大145t。工事の施工は三菱重工業が担当。また、関宿クリーンセンターは所在地が関宿古布内1904−1地先。施設は91年3月の稼働で、処理能力は日量最大40t。工事の施工はユニチカが担当。
関宿クリーンセンターは、合併前の旧関宿町の時に耐用年数15年を経過した後は延長使用しない旨の協定を住民と締結。その後、合併後に野田市が協定期限を経過した後も稼働を続けたため、住民が千葉地方裁判所に提訴した。その後、和解が成立したが、14年7月14日を限りに施設の稼働を停止することを取り決めた。
日刊建設タイムズ