川勝平太知事は、JR沼津駅北地区で計画している「東部コンベンションセンター」整備について、事業推進に前向きな姿勢を見せる一方、県産材の活用などを検討する意向を示した。知事選の期間中、公約の中に「ハコモノ(建築物件)のゼロベースからの見直し」を掲げていたため、コンベンションセンター建設への対応が問われていた。県議会6月定例会の中で川勝知事は、沼津駅周辺の鉄道高架事業も含めて「沼津市との連携を図りつつ、社会情勢の変化に応じたコスト縮減策を講じるべき」との認識を示した。
東部コンベンションセンター整備事業は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造で最高高さ55b、延べ4万9265平方bを誇るメーン建築物などを建設。メーン施設の内訳は、会議場施設(延べ1万4342平方b)、展示イベント・市民交流施設(8400平方b)、500台収容の駐車施設(1万0579平方b)、ホテル(7910平方b)、分譲マンション(8034平方b)となる。事業費は、県と沼津市合わせて総額約168億円。
3月に整備事業者をDMグループ(事業代表企業・大和ハウス工業)に決定しており、2009年度内に基本協定を締結する。締結後、事業者との間で設計協議を進めるが、川勝知事は「(建築部材の中に)県内産の資源を活用する方向で見直しを図る。事業計画を具体化する過程で、事業者との協議の中で県産材の活用などを検討する」考えを述べた。
施設は当初計画通り、3年後の12年度に沼津市公共施設、14年度に県公共施設部分をそれぞれ供用開始させる見通し。
整備事業者のDMグループは、INA新建築研究所、森ビル都市企画、UG開発マネジメント、長谷川逸子・建築計画工房の4者がグループ構成企業に名を連ねる。ホテル協力企業にはダイワロイヤル(宿泊)、沼津キャッスル(バンケット・ケータリング部門)の2者が参画する。
建通新聞社 静岡支社