耐震診断、改修で安全性を確保した建築物に対して全国統一のマークやプレートを表示できる「耐震診断・耐震改修マーク表示制度」について、県内では6月30日現在、松坂屋静岡店本館など9施設が制度の適用を受けている。件数は少ないものの、全国の交付件数(35件)の約4分の1を占めている。県内では4月から、耐震判定団体の静岡県建築士事務所協会(山崎善利会長)がプレートを交付。東海地震の発生が心配される中で、特定建築物の所有者に対する啓発などの取り組みに一定の成果が出ている。県士事協では判定団体として、各事業を通じて耐震化の必要性を訴えていく。
マーク表示制度は、1981年以前の旧耐震診断基準で建築された学校や百貨店、展示場など大型施設を対象に、耐震性を証明するプレートを交付するもの。建築物の耐震改修促進や、災害発生時の有効利用などの促進を主な狙いとしている。
2008年2月に、全都道府県の耐震化促進担当部署と建築関連団体などで構成する「既存建築物耐震診断・改修等推進全国ネットワーク委員会」(岡田恒男委員長)や日本建築防災協会などが創設した。
県内では、09年度から県建築士事務所協会が判定団体としてプレートの交付を開始。4月8日に松坂屋静岡店本館など4施設が県内で初めて制度の適用を受けている。
山崎会長は「警戒宣言発令時や地震発生時に施設の利用者が的確に対応できるよう、他の施設でも耐震化の必要性を再認識し、ぜひ耐震診断などに着手してほしい」とし、県内の特定建築物などの耐震化に期待を寄せている。
建通新聞社 静岡支社