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建通新聞社(中部)
2009/07/24

【愛知】岡崎市東公園に旧本多邸復元 造成工を9月発注へ

 岡崎市は、2011年度末の完成を目指して岡崎藩最後の藩主本多忠直氏の孫である故・忠次氏の洋館「旧本多邸」復元活用事業を計画しており、造成工事を9月ごろにも発注する見込みだ。また、7月26日には活用方法を市民参加で検討する市民ワークショップ「旧本多邸を考える市民会議」を開催する予定だ。
 市では、移転復元後の使用・活用方法などについての検討を行うため市民ワークショップで練り上げられた案を更に外部委員会の活用検討委員会で検討を加えて09年度内に活用計画としてまとめていく予定。ワークショップに際しては活用方法の叩き台として展示施設のほかにレストランや喫茶などの飲食を伴う憩いの場としての使用方法なども提示していくものと見られる。
 今後のスケジュールとしては、10年6月までの2カ年継続事業で造成工事を行う。11年度内に復元工事に着工、これも2カ年継続で整備することを想定している。建築の工期は21カ月程度が見込まれる。
 計画では移転復元先の東公園内希望の森南側の土地約3000平方bを造成する。また移転復元する「旧本多邸」は、1931〜32年に東京都世田谷区に建設された木造2階建て延べ約540平方bでフランス瓦葺でスパニッシュコロニアル様式。01年に解体され、遺族から岡崎市に建築部材や家具、調度品など一式が寄付されていた。市では寄付された部材を保管すると同時にステンドグラスや調度品の修理を進めており、建具などの修繕も行う。また復元に際しては一部に鉄骨を用いてトイレやエレベーターなどを整備するなど利便性や耐震性能、現在の法規に沿ったものとする。
 造成の設計は葵コンサルタント(岡崎市)が、復元の建築設計は協同組合伝統技法研究会(東京都新宿区)がそれぞれ担当して08年度に完了している。
 本多邸の元施工は当時の白鳳社が設計・施工で担当した。