川勝平太知事は21日の所信表明演説で、「周辺県・隣接県と本県とを結ぶ道路網の整備」「生活道路整備の重点化」など交通インフラの整備方針を明らかにした。地域のことは地域で決める「地域自立」を政策目標に掲げた上で、「道路や橋、港などのインフラ整備が域内の一体化を高め、地域自立の基礎となる」と述べた。一方で、富士山静岡空港の開港に伴う国内外の旅客増大に備えるべく「道路整備により構築される広域道路網を最大限に生かすため、道路ネットワークの高速化にも着手したい」との考えを示した。
川勝知事は、道路整備方針について「既存の交通インフラ整備の充実」に軸足を置くことを明言。防災面などで重要な役割を果たす生活道路の整備は「優先順位を判断した上で、最も整備が遅れている地域から重点的に整備を進める」ことを強調した。
広域幹線などの道路整備では、石川嘉延前知事が提唱した「道州制への移行」を視野に入れつつ、「本県と周辺県をつなぐ道路網や情報環境を整備して、静岡県の中心性を県民の誰もが実感できるインフラ整備に努めたい」と自身の施策を披露した。
《「第三者の目による事業重点化を」》
県政運営については「透明性の高い『見える県政』を目指す」とし、積極的に情報公開に取り組むことを示唆。
県庁各部局が従来作成している業務棚卸表に加え、「有識者など第三者による事業仕分けを実施し、費用と効果をチェックすることで、必要な施策に重点的に予算配分する」方針を述べた。建設事業など公共投資では、重点化と事業効果の早期発現を重視する考えで、石川前知事の考えを踏襲する。
さらに、県と市町との行政の重複を避けるために「これまでの権限や財源だけでなく、人材も市町に移譲する」との持論を展開。担当する職務や所属に応じて、これまで以上に県職員の市町など他自治体への異動を活発化させる考えだ。
建通新聞社 静岡支社