静岡県は、低入札調査基準価格と最低制限価格の算定式を、中央公共工事契約制度運用連絡協議会の「新公契連モデル」(2009年4月モデル)に改定する。8月1日以降に公告・指名通知する案件が対象。調査基準価格の設定範囲を予定価格の「66・6〜85%」から「70〜90%」へ引き上げるとともに、現場管理費の算定割合を高める。改定後は、調査基準価格と最低制限価格が2%程度アップすることが見込まれ、ダンピング受注による工事品質への影響や下請けへのしわ寄せを回避させる考えだ。
現在、県では原則、設計価格5000万円以上の工事を対象に、低入札調査制度を運用。調査基準価格は、予定価格の66・6%〜85%の範囲で設定。具体的な調査基準価格の算定は、@直接工事の95%A共通仮設費の90%B現場管理費の60%C一般管理費の30%−を合算し、設定している。
8月以降は、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)が改定した「新公契連モデル」の適用によって、予定価格の設定範囲の下限を70%に、上限を90%にそれぞれ見直す。加えて、調査基準価格の算定式のうち、現場管理費の算定割合を10%アップさせた70%に改める。
県では08年度から、低入札価格調査制度の「契約しない場合の判断基準」として、予定価格の55%程度の基準値を下回った場合には契約対象から除外している。合わせて、今回の新公契連モデルへの改定で調査基準価格が2%程度上昇することが見込まれ、より一層、ダンピング対策が強化される。
一方、設計価格5000万円未満の工事を対象に運用している最低制限価格についても、調査基準価格と同様に算定式を新公契連モデルに改定。小規模工事についても、最低制限価格が2%上昇することで、ダンピング受注抑止による工事品質の維持・向上を図る。
県は、国土交通省や日本下水道事業団、他の自治体などがすでに低入札価格調査基準価格の設定範囲を引き上げたことに準拠し、新公契連モデルへの改定を決めた。
建通新聞社 静岡支社