京都市上下水道局は2日、南区のマリアージュグランデで、21年度「第1回京都市上下水道局水道施設整備国庫補助事業に係る事前評価第三者委員会」を開催。議事では、蹴上浄水場における高度浄水処理施設整備事業の事前評価について審議。「市民に提供する水道水の水質基準を遵守する意味合いを前面に押し出すべき」などの意見を踏まえ、今秋までに事前評価及び対応方針を取りまとめていく模様だ。
同事業は、京都市における浄水の異臭味問題解消のため、蹴上浄水場内に粒状活性炭などの浄水処理施設を設置していくもので、事業の実施に伴い、国からの補助を受けるため、京都市上下水道局水道施設整備国庫補助事業に係る事前評価第三者委員会(伊藤禎彦委員長・京都大学大学院工学研究科教授)において、事前評価及び対応方針を審議し、策定していく。
19年度現在の蹴上浄水場の処理能力は、9万9000m3/日。今回の高度浄水処理施設整備には、総事業費65億円を費やし、粒状活性炭処理施設等の整備を平成25年度末の完成を見込んでいる。供用開始後は、浄水処理能力19万8000m3/日、高度浄水処理能力15万9000m3/日の高度処理を実現させる。
委員会の冒頭、鈴木技術長が挨拶に立ち、「異臭味問題の解消は長年の課題。問題解消に向けた事業の円滑な進捗に、忌憚のないご意見を賜りたい」と述べた。続いて、伊藤委員長が挨拶に立ち、「異臭味問題は、積年の課題。今回の処理施設を配置することで、潜在的に異臭味被災人口が格段に解消されることは明らか」と理解を示した。
議事に移ると、委員から「水質基準の遵守を明記すべき」「他都市との比較を盛込んでみては」「施設のデザインは京都らしさを取り入れたほうがいい」とする意見が上がっていた。