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　静岡県と県内市町が所有する施設の吹き付けアスベストの使用実態調査を行った結果、県有19施設を含む69施設で使用が確認された。このうち、すでに54施設で処理が完了しており、残る未処理15施設もすべてで立ち入り禁止などの措置は講じられている。２００９年度内に６施設、10年度以降に９施設で除去処理を実施する予定。県では今後、未処理施設を所有する市町に対して、飛散防止などの安全対策や、封じ込め・囲い込みなどの除去対策を助言する。
　調査は、前回調査（２００８年３月末時点）をフォローアップする形で、09年３月末現在の状況を把握するために実施。調査の対象施設は、県有施設と政令市を除いた市町所有の建物のうち、１９９６年度以前に竣工・改修した３８４９棟。建材中のアスベスト含有量（重量比）が０・１％を超える施設を「アスベスト使用」とした。
　調査の結果、県有施設では19施設、市町有施設では50施設でアスベストの使用が判明した。このうち、県有18施設と、市町所有の36施設では、除去や飛散防止措置を実施している。
　未処理個所は、市役所や役場の階段天井裏や地下室の天井裏、浄水場やポンプ場機械室など、普段、一般県民には直接かかわりの少ない施設が大半を占める。今後の対応として、09年度内に県有１施設と市町所有５施設、10年度以降に市町所有９施設で解体工事など処理を実施する。建物を所有する市町では、処理までの間、使用禁止や立入り禁止などの処置をとる。
　未処理施設の概要は次の通り（カッコ内は所有自治体）。
〔09年度処理〕
　▽旧中遠家畜保健衛生所（静岡県）▽三島終末処理場（三島市）▽御前崎市役所本庁舎（御前崎市）▽久保山経営施設（川根本町）▽焼津市市議会庁舎（焼津市）▽コミュニティプラント葛ケ丘（掛川市）
〔10年度以降処理〕
　▽星山浄化センター（富士宮市）▽富士見台下水処理場（富士市）▽焼津市役所本庁舎（焼津市）▽焼津市産業会館（焼津市）▽石津ポンプ場（焼津市）▽伊豆の国市韮山支所（伊豆の国市）▽伊豆の国市大仁支所（伊豆の国市）▽大堰浄水場（河津町）▽国民宿舎かわづ（河津町）

《全国＝調査未実施は５１９５カ所》
　総務省がすべての地方公共団体を対象に行った所有施設のアスベスト使用実態調査のフォローアップによると、２００９年３月末時点で、調査対象の22万３２５０カ所の97・６％で調査が終了している。08年３月末時点より５・８ポイント進捗した。調査を行っていないのは５１９５カ所で、このうち１８９１カ所は09年度中に調査予定だ。
　すでに調査を終えた21万７８６４カ所のうち、アスベストの含有を確認したのは６５２２カ所。このうち56・９％の３７１４カ所はアスベストを除去済みだ。除去していない場合でも、43・３％の１２１６カ所では封じ込めなどの処理を行っている。このほか３２１カ所は09年度中に除去予定だ。残るほとんどの個所でも立ち入り禁止などの対策を行っており、ばく露の恐れがあるにもかかわらず対策を行っていないのは４カ所のみだった。

建通新聞社　静岡支社