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杉橋会長 |
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社団法人滋賀県建設業協会(杉橋和彦会長)・社団法人滋賀県建設産業団体連合会(杉橋和彦会長)・社団法人滋賀県土木施工管理技士会(森本治会長)の共催によるCPDS認定講習『公共事業推進セミナー』が29日、大津市におの浜の大津プリンスホテルで開催された。会員ら約330名が参加。公共事業の円滑な推進に向け認識を深めた。
挨拶に立った杉橋会長は「公共事業における我々の使命は、品質の高い工事をより早く、より安全に、適正な価格で国民に提供すること。入札・契約制度の改革や、建設現場の諸課題の改善に取り組む必要がある。発注者・受注者がパートナーとして適確な情報を共有し、公共事業の円滑化を推進することを目的に開催する本セミナーは、受注者にとって意義深い。最後まで聴講し、理解を深めて欲しい」と述べた。
セミナーでは、まず、基調講演として京都大学防災研究所・流域災害研究センターの関口秀雄教授による演題「流砂漂砂系と水循環系の連関を考える」〜くらしの安全・安寧と気候変動を視野に入れて〜を聴講。関口教授は、地球環境の変遷を過去に学び、観測データの集積や、“備えあれば憂いなし”の精神で、実感に根ざした知識のそしゃくが大切とし、最近の流域環境の変遷を読み解くことが、将来の流域環境デザインを検討する一つの視点となると説いた。
次に、話題提供として、近畿地方整備局の塚田幸広企画部長が演題「公共事業を取り巻く話題と今後の取り組みについて」を講義。経済危機対策として直轄工事で21年度当初予算の上半期の契約率について過去最高水準の前倒しである8割超を目指すため、実績を重視した総合評価方式の適用・拡大、概算数量発注・詳細設計付工事発注等を柔軟に対応、施工体制審査・評価の迅速化などを挙げた。近畿地方整備局の21年度工事発注予定額は1328億円(900件)。うち未公表分を除く上半期は1098億円(798件)。上半期発注率は金額ベースで83%(滋賀91%、京都87%)、件数ベースで89%(滋賀87%、京都91%)を予定している。
近畿地方整備局の総合評価方式への取り組みとしては、21年度の変更事項に、施工体制確認型を全工種について6000万円以上の工事に拡大して運用(20年度は1億円)、手持ち工事量を評価項目に追加(調整中)、競売入札妨害や建設業法違反を行った業者への減点措置を適用、下請け表彰の有無を評価項目に追加。新規項目として主要建設機械の大気環境対策、CO2排出量削減。新たな取り組みでは、専門工事審査型や、地元企業活用審査型、工事成績評定活用重視型の試行を掲げた。
最後に滋賀県の田村秀夫土木交通部長が演題「滋賀県における総合評価方式の取り組みについて」を講義。緊急経済対策(前倒し発注)については公共事業等の上半期発注率75%以上(県全体)の前倒し執行に努める。総合評価方式の21年度見直しポイントは▽簡易型Aの評価項目に選択制を導入▽簡易型の「簡易な施工計画」を新たに加点対象とする▽施工計画において「環境に関する着目点」を必須とする〔標準型〕▽「工事成績」の重みを増加〔標準型U型A〕▽技術者CPDの評価対象単位数を見直す〔標準型T型・U型A、B、簡易型〕▽企業の地域性・社会性の評価に、新たな項目を設定−。
滋賀県における低入札価格調査制度の21年度見直しは▽「地質調査」「補償関係」を新たに調査対象として追加▽低価格の理由には、当該工事・業務における低価格の根拠が明示されていることを必須とし、失格理由の厳格化を図った▽低価格での契約内容の履行について、合理的な説明がないと判断した場合は失格とする▽資料の提出がなされないなど、調査に協力的でない場合には、入札参加停止の措置を行う−。
このほか田村部長は、低入札価格調査対象について、緊急経済対策による暫定運用として、上半期中(9月末まで)は、予定価格を倍に引き上げているが、発注率アップのため、21年度末まで期間を延長したい意向を示した。また、これまで事前公表していた予定価格について、7月1日以降に公告される1億円以上の建設工事から事後公表とすることを報告した。 |