建通新聞社(中部)
2009/06/25
【三重】特養450床、老健360床に 県が10年度の社会福祉施設整備方針公表
三重県健康福祉部は22日、2010年度の社会福祉施設整備方針を明らかにした。このうち、高齢者福祉施設の整備必要数は特別養護老人ホームが450床、介護老人保健施設が360床。実際の整備数は事業者の計画次第だが、開設準備経費の助成などもあり、県も高い水準で財政支援していく考えのため、県は例年以上の大量整備を期待している。
県は、社会福祉施設の整備について、地域バランス、住民ニーズ、施設老朽化などへの対応を踏まえて優先度を検討していくことにしており、高齢者福祉計画などに定める目標達成に向け、整備方針を策定した。対象は、救護施設、児童館、児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、障害者自立支援施設、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、養護老人ホームなど。
高齢者福祉施設の整備目標は、第4期介護保険事業支援計画・第5次高齢者福祉計画(09〜11年度)に定めている。第3期・第4次計画(06〜08年度)の整備実績が目標の60%程度にとどまったため、09年度は大量の整備が必要になった。
特別養護老人ホームの09年4月1日現在の設置数は6413床。09年度の整備予定数が80床。10年度末整備定員数を6943床としているため、10年度の整備必要数は450床となる。圏域別の整備必要数は、北勢圏域が30床、中勢伊賀圏域が280床、南勢志摩圏域が120床、東紀州圏域が20床。
老人介護保健施設は設置数が5832床で、09年度整備予定数が90床。10年度末整備定員数を6282床としており、10年度の整備必要数は360床。圏域別内訳は、北勢圏域が220床、中勢伊賀圏域が20床、南勢志摩圏域が120床、東紀州圏域がゼロ。
これらの施設はユニット型を基本とし、バランスよく整備する方針。スプリンクラー設置については、この整備方針とは別に、介護基盤緊急整備特別対策事業で対応する。また、養護老人ホームは、老朽化した施設の改修、改築を計画する。
救護施設は県内に3カ所(定員270人)あり、老朽化対策が必要なため、入居者の安全性や利便性の観点から改築を進める。新規整備は行わない。児童館は46館あり、未設置市町の創設に対しては、放課後児童対策など地域活動の計画がある地域を優先する。
児童養護施設は11施設、乳児院は2施設あり、昭和40〜50年代に整備された施設が多いため、老朽化対策と、大部屋解消などプライバシーに配慮した居室整備を優先して進める。
母子生活支援施設は5施設あり、DV防止法に対応した居室拡大や、老朽化対策としての大規模修繕を進める。婦人保護施設は1施設あり、老朽化しているため増改築を図る。保育所は165施設あり、待機児童を抱える市町での創設、改造を優先して行う。
障害福祉施設は、改築や補強による耐震化を進めるとともに、スプリンクラー設置を促進する。