(社)千葉県造園緑化工事業協会(池谷晃会長)をはじめ(社)日本造園建設業協会千葉県支部、(社)日本公園施設業協会の共催による「公園遊具の日常点検講習会」が23日、千葉市美浜区の稲毛記念館などで開かれ、官民合わせて100人余が受講。造園CPD認定講習として、研修後には修了証が交付された。
各会員の公園管理担当者や公園数の多い市町村の担当者を対象としたもので、昨年に続いて第2回目。研修スケジュールは、午前が@遊具の安全性A遊具の点検ポイントB遊具の点検方法――などの屋内研修(座学)、午後は磯辺第3公園まで徒歩で移動し、ブランコや鉄棒、スプリング遊具、砂場、複合遊具を使っての点検の仕方などの屋外研修(実地)を実施。
講師は、屋内外とも(社)日本公園施設業協会が担当し、屋内研修は飯田弘巳、朝倉辰夫両氏、屋外研修は同協会所属講師約20人が務めた。
子どもたちの遊び場としての公園には本来、「安全と安心」が不可欠な条件とされ、公園遊具の整備不良に起因する事故を起こさないためには、日頃の点検作業が重要とされる。これらを踏まえて(社)千葉県造園緑化工事業協会では、関係団体とともに、実地研修を含めた遊具の安全及び日常点検のポイントについての講習会を共催したもの。
開講に先立ち、主催者を代表してあいさつした池谷会長=写真=は、「米国のサブプライムローンに端を発した世界同時不況が、我が国の経済を脅かすとともに、我々造園業界においても工事の受注が減少するなど、経営環境は一段と厳しくなっている」との現状を指摘したうえで、「このような中で受注を確保するためには、造園業者として、他の業界にはない植物や造園に対する高い技能と知識により、受注者の信頼を確保していくことが重要」との考えを示した。
また、それらを踏まえて氏は、「当協会では造園技能士、街路樹剪定士、造園施工管理技士などの資格取得をはじめ、会員企業における技術力向上のための研修会や講習会を幅広く開催し、技能の研鑽に努めている」とし、この日の講習会については、「その一環として開催するものであり、特に、近年、公園管理において、遊具の安全対策が強く求められていることから、日常点検のポイントとその方法について、現地研修を含め、専門的な知識を得る良い機会として盛り沢山の内容となる」と説明。
さらに氏は、「公園から響いてくる子どもたちの明るい声は、平和な日常生活の証であり、また、明日に向かっての活力の源でもある。公園が、いつまでも子どもたちの『心のオアシス』であり続けるためには、安全と安心が不可欠である。その意味からも、本日の講習会が有意義なものとなることを祈念する」と述べ、あいさつを結んだ。
引き続き、来賓としてあいさつした並木博史・県県土整備部公園緑地課副課長(兼)都市緑化推進室長=写真
=は、「近年は地球温暖化と環境に対する関心が高まり、都市公園は緑豊かな都市環境の形成に大きな役割を果たしていると考える」としたうえで、「ところが、都市公園の建設管理にかかる公共事業予算は、厳しい経済状況の中で減少の一途をたどり、国の予算は平成9年度をピークに、今年度はその約半分、県においては、それを大きく上回る減少率となっている」と指摘。
一方で氏は、「こうした中、国庫補助制度の中に新たな動きがあり、今年度から一部条件を満たした公園施設の管理について、国の補助が付く『都市公園安全安心対策推進総合支援事業』がスタートした」と説明し、さらに「この事業の採択の中に、危険度判定調査等で改善が必要とされたものや、適切に維持管理されている施設など、本日の講習と関わりの深い条件がいくつか含まれている。受講者の皆さんにおいては、この講習会で得た知識を活かしてもらい、新たな制度の活用などに役立てて頂きながら、県民が安心して楽しめる公園の管理に加わって頂きたい」と要請し、あいさつに代えた。
日刊建設タイムズ