建通新聞社(中部)
2009/06/23
【愛知】技術提案は5点まで 国土交通省中部整備局が入札説明会を開催
国土交通省中部地方整備局は19日、名古屋市内で、総合評価落札方式での技術提案の求め方と評価手法の見直し内容について説明会を開き、入札参加資格を持つ建設会社などから約700人が詰め掛けた。参加者は、過去の事例や想定されるケースを示して、運用の具体的な考え方について細かく質問していた。
今回の見直しは、標準型総合評価落札方式で、発注者と受注者の負担軽減を図るとともに、技術提案を求める内容や評価の基準をより明確化するのが目的。これまでは、材料、施工方法、品質管理方法などに区分し評価の観点を示して、それぞれに加点評価していたが、今後は技術提案内容を観点ごとに区分せず一括りにして記載する。例えば、3つの視点で各5提案まで認めていたものも、視点を問わず提案は計5提案までに限定。技術提案書も3枚以内で簡潔に要領よく記述するよう求めることになった。
質疑の中で、整備局は過度にコスト負担を要する提案は評価しないことがあり、さらに▽提案内容が設計条件、前提条件を満足しない場合▽提案数が5提案を超えた場合―には減点する「マイナス評価」もあると説明。「マイナス評価」の具体的な事例については、「入札説明書などを良く読まずに適当に書いてきた提案」などとした。
整備局では「昨年度も、施工条件を良く読まず、前提条件で行わないとしている施行方法を提案するなどの事例があったものの、「減点事項」がなかったため、減点していなかった。今年度は対象となるような例があれば減点評価していく」と話した。
また、技術提案を要請する時、▽評価の基本▽評価項目▽評価基準▽加算点―を示すほか、「評価項目設定理由」を明記するが、この「評価項目設定理由」で記述した内容に応えるかたちで提案があれば重点評価するとした。
説明会出席者からは、技術提案の評価の重み付けについて質問が集中。自社で施工した実績により効果・効用などが確認されている場合は高く評価されている点では、「中部地整発注工事以外での実績でも良いのか」「効果を検証できないのではないか」との質問があり、整備局側は、実績は「同種工事」と同じ扱いであり、現場の創意工夫も含めて広く評価していくと回答。ただ、実績があれば点数が高くなるというのではなく、効果がると考えられるものを評価し、その上で実績があれば点を追加すると説明し、1項目で満点を得ることも有り得るとした。このほか、自社の実証実験による実績は評価しないという説明には、参加企業から「新規参入の阻害になるのではと懸念する」という声があった。