(社)千葉県電業協会(並木鷹男会長)の防災・安全委員会(大嶋敏樹委員長)の主催による「第9回普通救命講習会」が17日、千葉市内の建設業センターで開かれ、会員9社から15人が受講。講師には、千葉市中央消防署の江野沢、上田両氏があたった。。
また、この日の講習修了者全員には、救命技能を有することを認定する千葉市消防局発行の「普通救命講習修了証」が、同局長名で交付された。
人命救助に貢献できる的確な判断と技術習得 普通救命講習に先立ち、主催者を代表して大嶋委員長は、「先ごろ行われた東京マラソンでは、タレントの方がAEDを使用した緊急処置により、一命を取り留めた例もある。事故はいつどこで起こるかわからない。本当はあってはならないことだが、万が一にも職場でそのような場面に遭遇した場合、また、日常生活の中で遭遇した場合、協会員一人ひとりが的確な判断と処置で人命救助に貢献できる技術を、この講習会で身に着けてもらいたい」と述べ、あいさつとした 同協会では日頃、現場などにおける安全衛生の「防止策」に傾注しているが、この講習会では、従来の安全管理教育でタブーとされた「事故発生」を敢えて想定。応急手当の基礎実技を身につけることで、事故発生から最も重要な救急車が現場に到着するまでの時間帯に、的確な処置を行えるようにした。
また、現場での事故に限らず、日常生活の中で万一の事態に遭遇した場合、これらの技術を身につけておけば、同協会員一人ひとりが的確な判断のもとで人命救助に貢献することが出来るという、建設業界の枠を超えた取り組みとして注目を集めている。
普通救命講習会は約3時間に及び、その大半を実技に充てた。救命に必要な応急手当の基礎実技では、2つに班分けし、心臓マッサージや人工呼吸、さらにAED(自動体外式除細動器)による心肺蘇生法をはじめ、大出血時の止血法、喉に物を詰まらせた時の異物の除去の仕方などを学んだ。
このうち、救急隊員または医師が到着するまで続行する心肺蘇生法では、@意識の確認A助けを呼ぶ(119番通報とAEDの手配)B気道の確保(頭部後屈あご先挙上法、下顎挙上法)C呼吸の確認と回復体位D循環のサインの確認(呼吸・咳・動き)E心臓マッサージと人工呼吸(15対2の割合)――などの手順に沿って、一人ひとりがポイントをチェックしながら、人体模型を相手に何度も実技を繰り返し、技術を習得した。
また、AEDの到着後としては、AEDを傷病者の横に置き、電源を入れたのち、@電極パッドを貼るA心電図の解析B除細動(電気ショック)の指示が出たら、循環サインの有無を確認C到着した救急隊に情報を伝える――という基本実技を学んだ。
同協会では01年度から普通救命講習会を開始。第2回目からは賛助会員にも受講者を募り、今回の受講者15人を含めて、これまでに延べ248人に受講修了証が交付された。今後も全会員が応急手当の基礎実技を身につけ、各地域で社会に貢献できるよう、来年以降も講習会を継続する方針でいる。
日刊建設タイムズ