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建通新聞社(中部)
2009/06/17

【愛知】設計者に黒川建築事務所を特定 愛知県「航空宇宙産業研究施設」

愛知県建設部は「航空宇宙産業研究開発施設」の建築設計で、5者から提出された技術提案書を総合的に評価した結果、黒川建築事務所(名古屋市昭和区)を特定した。契約がまとまり次第、2009年度末を履行期限に基本・実施設計に着手し、10年度の着工に備える予定だ。
 同施設には、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、ジャクサ)のジェット飛行実験機の格納庫、事務室、倉庫が入居する。延べ床面積は約2400平方b。建物の構造、階層は設計段階の中で詳細が明らかになる。
 建設地は豊山町の県営名古屋空港隣接地。敷地面積は約2fで、08年度に国から用地を取得した。09年度は基本・実施設計のほか、地質調査を委託する。建物の建築工事は10年度に単年で行い、11年度に供用を開始する予定。
 県は05年度以降、産業界・関係県市と一体で、JAXAの飛行実験場の誘致活動を進めていた。JAXAは、空港施設や周辺アクセスなどの空港条件、背後圏が航空宇宙産業の集積地といった立地条件などから、ジェット飛行実験機の定置場に県営名古屋空港隣接地が最適であると判断し、進出を決定した。
 航空機の生産は愛知・岐阜で全国の約5割を占めるなど、航空宇宙産業は愛知・岐阜地域に厚く集積する。関連する技術分野のすそ野が広く、広範な産業分野を先導する産業であるため、県は航空宇宙産業を次世代産業の1つに位置付け、その振興を重点的に図っている。
 JAXAが県営名古屋空港を飛行実験場の拠点に利活用することで、この地域の航空機に関する研究開発機能の飛躍的な強化が期待されている。