白子町の白潟小学校(今井富雄校長)の全校児童216人による「建設機械体験学習会」が10日、同校のグラウンドで行われた。
同学習会は、次世代を担う人材の確保などの見地から、(社)千葉県建設業協会青年部会(郡司正哉部会長)の事業の一環として、県内の小中学校で毎年開催。各支部の青年部が持ち回りで行っており、17回目を数えた今年は長生支部が担当し、産・官・学で組織する「千葉県魅力ある建設事業推進協議会」(通称:CCIちば)が共催。潟Aクティオ千葉支店が協力した。
今回の体験学習会には、200人を超える全校児童が参加したため、建機も例年より台数を多くし、油圧ショベル4台、振動ローラ4台、高所作業者2台を用意。班編成も例年の倍の10班とした。なお、建機はすべて潟Aクティオ千葉支店が提供し、オペレーターも務めた。
体験学習会の開会式では、主催者を代表して郡司部会長が、また、来賓として林和雄・白子町長と斉藤美和・県長生地域整備センター次長が児童たちを前にあいさつ。引き続き、青年部会の緑川剛司幹事が、日程の説明や諸注意を行った。ちなみに司会進行役は、開会式及び閉会式とも白潟小の児童が担当。
この日の建機体験学習会で児童は、各班の担当者からそれぞれ建機の特徴や役割、操作方法などの説明を受けながら、一つの建機で30分ずつのタイムスケジュールを組み、全員が操作を体験。
建設重機の操作では、油圧ショベルのブーム、アーム、バケットを腕のように動かし、車体の上部を大きく回転させて砂をすくい取り、積み上げた。また、重い鉄の車輪とゴムの車輪を振動させながら走る振動ローラーでは、建機が起こす地響きを体感しながら地面を締め固めた。
一方、高所作業車には6人一組で乗車。安全帯を腰に付けてフックをかごに掛け、最後に取れないかをしっかりと確認後、ビルの4階に相当する約13mの高さまで上がり、電線の取り付けや修理、道路標識の掃除や街灯の交換、高木の枝の手入れなどをする気分を堪能。これらのダイナミックでスリリングな重機の世界に触れた児童たちの表情は、驚きと感動に満ちあふれていた。
また、関係者に公開したこの体験学習会では、今井校長の計らいで、父兄も高所作業車の醍醐味を体験した。
『セグウェイ』試乗 児童にサプライズ さらにこの日は、当初の予定にはなかった電動立ち乗り二輪車『セグウェイ』が登場。トイレ休憩時には児童たちの行列が出来たことから、「にわか試乗会」が行われるなど、予期せぬ出来事に児童たちの好奇心は頂点に達していた。
体験学習終了後の閉会式では「質問コーナー」が設けられ、「どうして建設業の仕事に進んだのか」「仕事で危険なことは何か」「建設重機に乗るのに免許はいるのか」などの児童からの質問に対し、青年部会員がそれぞれ回答。中でも「仕事で危険なこと」については、「集中して取り組まないと、どんな仕事にも危険はあると思う。今日皆んなが体験した重機の近くで仕事をする時は、特に周りに気をつけている」と答えた。
引き続き、学校側を代表して今井富雄校長が講評。まず児童に対して、「今日はともて良い体験ができましたね。今年、千葉県内でただ1校、私たちの白潟小だけが体験できる建設機械体験学習会でした。油圧ショベル、振動ローラー、高所作業車を直接手に触れ、動かしてみましたね。とてもうまく操作している姿を見ることができました。真剣な目をしていましたね。皆さんのお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんもいろいろなお仕事をしています。そして一生懸命働いてくださっていますね。その姿も是非一度は見てほしいと思います。今日は、この建設機械を動かして、大きなビルを建てたり、橋を掛けたり、また、道路を整備したり、災害が発生したときにはその復旧工事の仕事も引き受けてくれたりする人たちの仕事の一部を体験しました。機械を扱う大変な仕事です。危険と背中合わせのお仕事をされていますが、きっと、機械を扱う楽しさもあるかと思います。将来、建設機械を扱う仕事についてみたいなと思った友だちもいるのではないでしょうか。本当に貴重な体験ができましたね。児童の皆さん、今日の体験をこれからの勉強に生かして、なお一層『かしこい子ども』になってください」と語りかけた。
一方、青年部会員らに対しては、「今千葉県では、小学校の子どもたちに『夢仕事ぴったり体験』と言う自分の将来の仕事について考えたり、人と接することで挨拶や礼儀マナーを学んだりすることが求められている。本校でも今後、6年生を中心に学習を進めていく考えでいたが、その中での本日の体験学習は、6年生ばかりでなく、白潟小学校全ての子どもたちに、一様に体験学習ができたことは大きな収穫だった。ここに改めて感謝を申し上げたい」と述べ、講評を結んだ。
最後に「お礼の言葉」では、児童を代表して6年生の工藤千愛さんが、「今日は私たち白潟小学校のために、このような貴重な体験をさせてくださって、ありがとうございました。初めてこんな大きな機械に乗ったり動かしたりして緊張したけれど、とても楽しく学ぶことができました。また、このような機械と働く人がいるからこそ、建物をつくることができたり、整備されたりして、安全な町で私たちは暮らせるのだと思いました。しかし、大きくて力強い機械を使って働くことは、危険が伴う仕事だということも知りました。働く人たちは、いつも安全を第一に考え、責任を持って取り組んでいることがわかりました。安全に気を配り、こんな大きな機械を自由に操り、私たちのために働く仕事は『カッコイイ』と思います。
今までは、工事現場などの様子も何気なく見ていましたが、今日の体験を通して、建設に携わる仕事に興味を持つことができました。これからも安全に気を付けて、お仕事がんばってください。今日はこのような素晴らしい体験をさせてくださって、本当にありがとうございました」と述べ、閉会式を終了した。
日刊建設タイムズ