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建通新聞社(中部)
2009/05/26

【岐阜】5建協の400人集結し決議採択 岐阜市で社会資本整備促進総決起大会

 愛知、岐阜、三重、静岡、長野の中部5県の建設業協会が23日、岐阜市内で「社会資本整備促進総決起大会」を開いた。大会には各協会から400人が集結。地域住民が安全で安心して暮らしていくために必要な社会基盤整備の推進と、雇用を守り、地域経済の担い手である建設業が持続できる施策の実現を求める決議文を採択した。決議文を受け取った金子一義国土交通大臣は、「責任を持ち責任を持ち、これをきちっと実現できるよう全力でやりたい」と答えた。
 田村憲司大会委員長(三重県建設業協会名誉会長)は「建設業に携わる者は地域住民の安全、安心を守るため日夜努力している」が、長年にわたる公共投資の削減、入札契約制度の改正などにより経営は非常に厳しい状況にあることを強調。その上で、地域の建設業が真の発注者のパートナーとなり、地域住民が安全で安心して暮らし、雇用を守り、地域経済の担い手となるため、「会員一人一人がその役割を十分に認識し、社会資本整備の必要性と効果を広くアピールするとともに、社会資本整備の最先端の担い手である建設業関係者の団結、士気向上を図りたい」と話した。
 岐阜県建設業協会の杉山文康氏は、大会参加者を代表して意見を発表。公共投資削減と受注競争激化の中、建設業も生き残るための努力をしてきたが、「現場で働く技術者達は生活水準ぎりぎりまで給料が下がり、その一方で増え続ける書類への対応で、毎日深夜の残業が続くということで、ものづくりのやりがいとか、楽しさを感じるような状況ではとてもない」と、過酷な現実をあらためて説明した。その上で、地域の建設業者の生き残る環境が整えば、災害対応、地域の雇用ということで、安心安全な地域づくりを守るコストが下がり、結果として多くの目的を達成することができ、多くの課題を解決できると指摘。地域の建設業者が適正な環境の中で競争し、本来の役割を果たすことができるよう、発注者は日本の未来のために社会資本整備を推進するとともに、「建設生産システムを確固たる信念、哲学を持って、改革を続けてほしい」と話した。
 また、長野県建設業協会伊那支部の桃沢傅氏も、長野県南部地域を代表して意見発表。桃沢氏は、長野県の公共建設投資が8年間で7割以上削減され、入札改革による受注競争の激化で低入札が起きた状況を説明した上で、「私たち中小、地場の建設業は公共工事という視点から戦後、国、県、地方の政策を進めるにあたり、生み出された産業である」とし、地域振興、農山村部の雇用確保など、中小建設産業を成立させている環境と原理は「他産業と大きく違い、市場原理主義を100%導入することは、地方、特に農山村部には大きな不幸が発生することになる」と指摘した。
 さらに桃沢氏は、地方地場の建設業者が「安定した経営ができ、より良い人材を雇用し、誇りを持って仕事ができ、工事の品質を保ち、災害有事にはすぐに駆けつけられるような業者」を目指しており、そのためにも社会資本整備の安定した予算確保が必要であると訴えた。
 決起大会で決議した項目は次の通り。
@安全・安心を確保するため、社会資本整備や防災、減災対策を強力に推進されたい。A内需を拡大し雇用を確保する観点から、今年度当初予算の大幅な前倒し執行および下期以降も切れ目の無い施策を講じられたい。B平成21年度の大型補正予算については、経済対策の基本であり、早期に成立させ確実に実行されたい。C地域建設産業の健全な育成や地域の経済および防災の観点から、地域建設業者の持続性のある受注機会の確保などの対策を講じられたい。