建通新聞社(中部)
2009/05/22
【三重】県入札監視委員会 委員が辞退者再参加を問題視
三重県入札等監視委員会は19日、2009年度第1回会議を開き、08年度第4四半期の入札契約物件の中から5件を抽出し、審議した。委員から、入札を辞退した企業が、再度公告した同じ物件に再び参加するのは問題があるとの指摘があった。「こうした行為を許すのはおかしい。落札率が高いだけに釈然としない」と発言し、県側の説明に納得せず、次回の会議で正式に回答するよう求めた。
今回の審議案件は@落札率71・8%で低入札価格調査となった「宇治山田港国補海岸侵食対策工事」A落札率97・2%と高い「北部浄化センター11汚泥脱水機ほか機械設備改築工事」B同じ機械設備でも落札率68%と低い「北部浄化センター33主ポンプ機械設備工事」C企業庁の工事の中で契約金額が高い「高野浄水場1号、3号取水ポンプ取替工事」Dプロポーザルで随意契約の「新県立博物館建築設計業務委託」。
北部浄化センター汚泥脱水機改築は、最初の一般競争入札に2者が参加申請したが、1者が辞退したため、入札は中止。参加条件を緩和した2回目の入札は、3者が参加申請。1者が辞退し、2者で応札した。この時、最初の入札を辞退した企業が、2回目の入札に参加した。最初の入札では工期が短いことを辞退の理由としていたが、2回目の入札は工期が延長されたため、参加したという。
委員は「一度辞退した企業には参加を制限すべきではないか」「辞退理由を究明しないのか」と迫った。この案件は継続審議とし、次回の会議で県としての考え方を回答するよう要請した。
県は入札心得で、一般競争入札の辞退は、入札事務の早い時点で、やむを得ない場合に認めている。ペナルティーはない。
高野浄水場取水ポンプ取替は、入札参加者から参考見積もりを徴集し、これを参考に予定価格を算定した。委員は、見積もりを出した企業が入札に参加するのは「少しひっかかる」が、「総合評価を試行し、価格以外の要素も加えているため、悪くはない」とした。ただし「改良は必要」と述べた。県は、限度額を示さずに見積もりを取る方法を実施している、と説明した。