静岡県中小企業団体中央会によると、2008年度の県内組合設立数は、全体で13組合で、過去最少となった前年度に比べて4件増えた。建設関係では、島田市内の「島田建築設計監理協同組合」、三島市内の「静岡東建協同組合」、焼津市に拠点を置く「協同組合SKS」の3件だった。この3件を見ると、いずれも組合設立は共同受注や共同購入などを目的とし、組合数は1ケタで出資総額も100万円未満となっている。
「島田建築設計監理協同組合」は、島田市内の建築設計事務所5社が団結、企画構想・意匠設計・構造設計・設備設計・工事監理など5分野でそれぞれが得意とする能力を持ち寄り、官公庁や民間の大型物件の受注を狙う。また、組合員が受注した設計図書の共同検査も行っていく。「静岡東建協同組合」は、三島市などで建設関連業に携わる4社が組織したもので、建設や造成、解体などの共同受注やあっせんを行い、今後は大型物件受注に向け、建設業許可の取得も予定する。「協同組合SKS」は、焼津市、静岡市、掛川市、藤枝市の建設業4社で設立、建設廃材などを収納する際に必要なフレコンバックをはじめ建設資材を共同購入し将来的には、建設資材の再利用や生活環境事業の研究も視野に入れている。
08年度に組合設立した全13組合のうち、組合員数1ケタは11組合で出資総額100万円未満が5組合。出資総額が300万円を超える組合はデータが残る1968年以来、初めてゼロとなった。設立目的は、前年度ゼロだった共同受注が5件でトップ。技術と経験を持ち寄った連携で長所を発揮しようとする組織づくりが多い。そのほか、地産地消を狙い、地域資源を売り込みながら地域活性化を目指す組合設立などもある。
こうした状況について同会指導部は「少額の資本金で組合設立し、ある分野に特化して共同購入や共同受注を狙う、さまざまな専門家を募って組織化し、まちおこしを行いながら地域活性化を狙うケースに分かれている」と分析している。
建通新聞社 静岡支社