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建設経済新聞社
2009/05/13

創価学会 滋賀メモリアルパ−ク 23年秋頃の工事着手へ計画 大成建設、日本国土開発で手続

土地利用計画図
 創価学会(代表役員正木正明氏、東京都新宿区信濃町32)は、大津市大石に墓地公園を建設する「(仮称)創価学会滋賀メモリアルパ−ク」事業を計画している。このほど同事業に係る環境影響評価実施計画書を作成。今後、環境アセス手続き、開発許可等を経て、23年秋頃に工事着手する予定だ。
 同計画は、現在ある関西池田記念墓地公園(7万基)における空き墓所が皆無であることなどから、滋賀県を中心とした京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・福井の2府5県の利用希望者を対象とする墓地公園を設置するもの。
 事業計画地は、大津市南西部端の大津市大石曾束町。西側・南側は京都府宇治市・宇治田原町に隣接。標高は70〜200mで雑木林が大半を占め、沢部は放置田。北側と西側は山林を隔てて瀬田川が流れ、東側と南側は山林を隔てて2つのゴルフ場が立地。西には14年に開通した市道幹2028号線が走り、瀬田川(南郷大橋)の北側で主要地方道大津南郷宇治線及び京滋バイパスに接続している。
 市道に接した緩い斜面を利用し、主に南側から北側に傾斜する地形を生かして造成。墓所や施設を配置する。開発区域は46・63f。計画墓基数は約3万基を予定。土地利用計画は造成区域が▽墓域14・02f▽中心施設地区1・10f▽法事休憩棟地区1・61f▽水汲み場用地0・11f▽道路1・56f▽管理道路0・32f▽参道0・49f▽調整池0・88f▽造成森林0・94f▽植栽地1・53f▽法面4・08f−の合計26・64f。また、自然地として残置森林19・99fを確保する。
 予定建築物は▽管理棟(事務室、納骨法要室、便所)延1550u▽第1休憩棟(休憩所、食堂、便所)延1359u▽第2休憩棟(休憩所、便所)延636u▽水汲み場(9ヵ所×17u)延150u−など合計3695u。緑地は周辺の自然環境との調和を考慮。周辺はなるべく既存樹林を残したものとする。また計画地内墓域は全面張り芝とし、周辺法面は緑化を行い、植生による一体感のある緑化計画とする。
 事業計画地内に新設する道路は、リニアーパーキングを有する幅員20・10mの幹線道路を中央に配置。事業計画地外の主たる道路(市道幹2028号線/W10・8m)との接続は取り付け道路(W10・0m)と、管理道路(W6・0m)の2ヵ所で接続する。駐車場は、場内幹線道路両側にリニアーパーキングとして260台、第1休憩棟前及び第2休憩棟前・管理センター前に260台、総駐車台数520台。
 給水は事業計画地内に設置する井戸から送水管を経由し、受水槽に貯留・処理を行い各施設へ供給する。電気及び通信は市道幹2028号線内に架空で整備されている既設電線から引き込み、事業計画地内で地中化し各施設へ供給。施設の一部ではガスを利用する。
 事業計画地に降った雨水は、北側水路を経て直接瀬田川へ流入する流域(A調整池流域)と西側水路から曽束川を経て瀬田川へ流入する区域(B調整池流域)の2系統。事業計画地内に整備するA調整池及びB調整池は、自然放流(孔あきダム)方式で一旦貯留し、放流量を一定以下に調整してから流末河川(瀬田川)へ放流する。事業計画地内の汚水排水は、場内に浄化槽を設置・処理後、調整池へ排水する。
 事業計画地内の工事期間は全体で約24ヵ月を予定。開発許可後、基盤整備工事に着手し、引き続き建築工事を開始する。工事中に発生する伐採樹木はチップ化し、燃料や原材料として可能な限り再利用する。
 造成における盛土工事は段階的に施工し、造成施工面下流側には仮設沈砂池を設置して造成面流出雨水中の土砂沈降除去を行ったあと河川に、または調整池流域においては調整池を介してさらに土砂沈降除去を行ってから河川に放流する。盛土部現地盤内には排水を促す暗渠を布設。切土法面及び盛土法面については種子吹き付け等の法面保護工を施す。
 造成工事は現況地形及び自然環境を尊重し、改変面積及び切盛土量を出来る限り最小とした計画とする。切土量154万m3、盛土量146万3000m3(154万m3×0・95変化率)。搬出土量±0m3。道路及び駐車場等の外構工事は事業計画地内の樹木の伐採後、土工事、暗渠管などの埋設物の工事、縁石や照明などの付帯設備を完工後実施する。
 建築工事は、工事中の土中水流入や土砂の崩壊を防止するため、盛土部においてはH鋼親杭横矢板工法、シートパイル(鋼矢板)工法による山留工事等を適宜行う。盛土部への建築物設置について支持層が深くなる箇所は杭基礎とする。基礎工事後、建屋の躯体工事、防水工事、外装工事、内装工事、各設備工事へと進めていく。
 事業スケジュールは今後、環境影響評価手続き、開発関係、土木設計・建築設計などを併行して取り組む。23年に環境アセス評価書を提出後、開発関係の許可を取得。23年秋頃に土木工事着手し、続いて24年秋頃に建築工事をスタート。25年秋頃の開園をめざす。
 設計業務は創造社(東京都新宿区)、開発関係等業務は大成建設関西支店(大阪市中央区)、日本国土開発大阪支店(大阪市西区)。