建通新聞社(中部)
2009/05/11
【愛知】県建設部 西知多道路整備 概略計画の方向性示す
愛知県建設部は、東海市と常滑市を結ぶ「西知多道路」構想で、概略計画の方向性を明らかにした。北部区間(東海市〜知多市)は「拡幅6車線化案」、南部区間(知多市〜常滑市)は「バイパス案」を選定。この方向性に基づき、県は西知多道路のルートを約250bの範囲で示すとともに、基本的な構造、インターチェンジ計画などの概略計画を作成する。
西知多道路は、西知多産業道路などの渋滞緩和、中部国際空港へのアクセスの充実などを目的とした自動車専用道路。延長は約20`で、地域高規格道路の調査区間に指定されている。県は、構想の段階から地域住民などから意見を聞き、路線の概ねの位置や構造などの計画を考える「パブリック・インボルブメント」(PI)による計画づくりを2007年10月から進めていた。
概略計画の方向性は、「計画全般」「ルートや構造」「環境対策」などの配慮事項に基づいて検討された。その結果、北部区間の西知多産業道路の拡幅6車線化案は▽建設費が約600億円とコストが低く、費用対効果が優れる▽インターチェンジの改良などで利便性向上▽渋滞緩和、空港アクセスの充実▽伊勢湾岸自動車道へは連絡路で直接アクセス―などが評価された。
南部区間で、既存市街地を避けて内陸部を通過するバイパス案は▽建設費が約900億円とコストが低く、費用対効果が優れる▽内陸地域の利便性(名古屋などへのアクセス)が向上し、土地利用の進展が期待される▽主の盛土構造で整備され、走行性に優れる▽空港アクセスの充実―などが評価された。
県は、概略計画の方向性などを掲載した広報誌を東海市、知多市、常滑市の全戸に配布するほか、5月9日に常滑市、16日に東海市、23日に知多市で4回目となる説明会と意見交換会を行う。概略計画は7月ごろに公表される予定