県県土整備部は20日、09年度の公共事業等の早期施行に向けた取り組みを公表した。事務量の低減を図り早期執行を推進するため、最低制限価格の対象範囲の拡大や、総合評価方式の「特別簡易型」における「施行計画」の省略などを実施する。最低制限価格の対象範囲の拡大では、従来の「2500万円未満」から「5000万円未満」に変更することとした。実施時期はいずれも09年5月1日から9月30日までで、この間に公告または指名通知を行う入札が対象となる。
建設工事に適用している最低制限価格の適用金額は、これまで「2500万円未満」となっていたが、これを「5000万円未満」に変更。これに伴い、低入札価格調査の適用金額は、これまでの「2500万円以上」から「5000万円以上」に変更となる。
建設・不動産業課では、今回の最低制限価格の対象範囲拡大により、対象工事について、低入札価格調査の場合より2週間程度の早期契約が可能になるとしている。
なお、08年度の県発注工事は上半期で約1400件あり、このうち2500万円以上5000万円未満の低入札価格調査対象件数は約460件だった。
一方、総合評価方式の対応では、技術的工夫の少ない工事を対象とした総合評価方式の「特別簡易型」について、一部の項目を省略する。
具体的には、5000万円以上1億円未満で実施している「特別簡易型」の総合評価において「施行計画」を求めないこととした。これにより、対象工事については契約までに1件につき1週間以上の短縮が図られる見通しだ。
08年度は「特別簡易型」の対象工事が県全体で約130件あり、このうち約60件が上半期に発注された。09年度は08年度より対象工事の件数が多少増える見通し。「特別簡易型」は、評価項目の合計点数が基本的に31点で、このうち「施工計画」が3点を占める。
ただ、今回の「施工計画」の省略でも、大規模な仮設を伴う工事など「安全審査」の対象工事は除外される。08年度の実績に照らすと、約1割がこの除外工事となる見通し。
なお、県の建設工事の場合、5000万円以上1億円未満が「特別簡易型」、1億円以上が「簡易型」の総合評価方式をとっており、「簡易型」については09年度も従前どおり変更はない。
また、総合評価を審査する技術審査会は、県土整備部の出先事務所の場合、これまで近隣の事務所(3−5事務所)が合同で組織していたが、09年度上半期は各事務所単位での開催を可能とし、この点でも契約までの時間短縮が図られる。ただし、「施工計画」を求める場合は従前どおりとなる。
日刊建設タイムズ社