官民連携による中心市街地の再生を目指している今治市は、老朽化が進む市庁舎をはじめ、同様の課題を抱える愛媛県や検察庁、法務局、税務署の各出先機関の移転先として複合庁舎を整備することなどを盛り込んだ「今治市中心市街地グランドデザイン(案)」を取りまとめた。早ければ2025年度内に複合庁舎整備に向けた関係者との基本合意を取り付け、基本構想・基本計画の策定に着手する。
複合庁舎の建設場所として、河野美術館(旭町1)と隣接する愛媛県東予地方局今治支局の敷地を最適とし、同所を中心に行政機能を集約したシビックゾーンを形成する。庁舎建物については、複合棟を1棟から3棟まで建設する案を検討し、コストバランス的には1〜2棟の建設が最適としている。26〜30年度に設計・建設の事業者選定し、着工する計画。
同案では、シビックゾーン形成の他、海からの玄関口である今治港から内港、そして今治城までを散策道でつなぐ「ミズベ・ウォーク」、中心市街地のシンボルストリートである広小路(今治港線〜今治停車場線)一帯の緑化を推進する「グリーン・アベニュー」。
もう一つの玄関口であるJR今治駅を交通網の拠点として再整備する「しまなみ・モビリティ・ハブ」、商店街や市庁舎に近い芝生広場を祝祭広場として再整備する「ドンドビ・フェスプラザ」、丹下健三氏設計の市庁舎と建物群を市民広場として活用する「タンゲ・アートプラザ」などを提案している。
同案については、4月23日まで受け付けているパブリックコメントの手続きを経て、6月に計画として公表する見通し。
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建通新聞社