大仙市農林整備課は、サケの産卵、ふ化、稚魚の飼育を行う市営ふ化場の移転改築に関し、基本設計を5月7日に開札する。新施設は鉄筋コンクリート造平屋建て、床面積500uの建屋、40uの配水槽、813uの飼育池を想定。現時点で建設工事費の限度目標は11億2,000万円(既存施設解体費含む)としている。今後は地形測量・地盤調査、用地調査も順次、公告する予定。早ければ8年度に実施設計を委託し、9年度から着工。10年8月の供用開始を目指す。
同市のサケふ化放流事業は130年続く事業で、ふ化場は沿岸漁業者の所得向上に寄与する施設。築後40年以上が経過し耐用年数を超過しているほか、耐震基準も満たしていない。また、近年のサケ回帰率低迷に対応するため、適期放流、大型稚魚の飼育を目指した揚水量の確保を図るとともに、飼育効率の向上、持続的な水産資源の維持増大を目指し、新施設を建設する。
建設予定地(花館字上大戸下川原)は現施設の約400m北東。敷地面積約27,404uのうち整備に必要な面積を取得する。収容卵数350万粒、サケ稚魚飼育尾数220万尾(うち50万尾大型化)が可能な飼育能力を持たせるため、建屋(RC1F500u程度)、配水槽(40u程度)、飼育池(813u程度)を新設する想定。
このうち建屋は◇ふ化・浮上槽棟(BOX型ふ化槽16槽、BOX型浮上槽14槽、約230u)◇採卵室(採卵台、作業台、吸水槽、洗浄槽、約40u)◇検査室(各種試験、検査室、約20u)◇事務室(事務員3人、応接スペース、約40u)◇休憩室(作業員4人、約20u)◇倉庫(約50u)◇発電機室(1基、約30u)◇トイレ・給湯室(約20u)◇廊下・玄関等(約50u)―で構成する見通し。
なお、現施設(建屋:昭和55年建設W1F194.4u、水槽:448u〔10m×1.6m×28列〕、井戸:4基)は新施設の完成後、10年度以降に解体する予定。
提供/秋田建設工業新聞