滋賀県は、25年度から実施する「びわ湖ホール大規模改修工事」について、早ければ4月末にも入札公告が行えるよう準備を進めている。所管の県文化スポーツ部文化芸術振興課では、全国的に設備関係の技術者が不足している点や施工方法等について検討・確認中で、固まり次第、発注準備に着手、具体化を図る方針。入札業務は同部文化芸術振興課が担当する。
びわ湖ホールは、滋賀県における舞台芸術の拠点として多様なニーズに応えるため最高水準の劇場を用意しようとの願いから、1995年から3ヵ年をかけて、大津市打出浜15―1・なぎさ公園打出の森内に建設された。建物は国内有数の4面舞台を備えた大ホールをはじめ、中ホール・小ホールがあり、オペラ、ミュージカル、コンサート、演劇など幅広い公演に活用されている。建物規模は、SRC造・S造4階建(地下2階)、延2万8940・87平方b。当時の設計は佐藤総合計画、施工は建築が大林―笹川JV、電気設備が東光―中島JV、空調設備が新菱―関西JV、給排水衛生設備が桑村産業―など。総工費は約245億円。
今回の大規模改修は、建設後25年以上となることから実施するもの。設備の老朽化による事故防止を主眼として、特定天井改修、昇降機設備改修、電気設備改修、空調設備改修、屋根漏水改修、ホール周りの整備、外周りの整備、防犯設備改修、内装改修―など。特に空調機器80台や中央監視装置、エレベーター6基は更新し、つり天井は耐震性の高い現在の建築基準に合わせて改修する。
びわ湖ホールの設備概要は▼大ホール=客席1848席(1〜4階)、4面舞台を備えたプロセニアム型劇場および、走行式音響反射板を使用したシューボックス型ホール(楽屋16室、衣装室・メイク室各1室)、▼中ホール=客席804席、プロセニアム型劇場(楽屋9室)、▼小ホール=客席323席、コンサートホール(楽屋3室)―。この他、それぞれのホールにホワイエ、ビュッフェ、調光室、音響室などを備える。
工事完了は、2028年2月末予定。
大規模改修の設計は、佐藤総合計画関西オフィス。
なお、県は25年度当初予算に限度額70億2599万円の債務負担行為(25〜27年度)を盛り込んでいる。
提供:滋賀産業新聞