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北海道建設新聞社
2025/03/28

【北海道】ラピダスとシンガポール企業が世界最小の半導体製造へ協業

 ラピダス(本社・東京、小池淳義社長)と半導体関連のエンジニアリングサービスを手掛けるクエストグローバル(本社・シンガポール、アジット・プラブCEO)は25日、東京都内で記者会見を開き、世界最小の2ナノ(1ナノは10億分の1)半導体の設計・製造を実現するため協業すると発表した。クエストグローバルが設計を支援し、千歳市内で建造中の次世代半導体製造拠点へのエンジニア常駐も検討する。(関連記事2面に)
 ラピダスは千歳市内に次世代半導体製造拠点を新築中で、4月から試作ラインを稼働させる。小池社長は「装置搬入・接続など順調に遅れなく進んでいる」と強調した。
 しかし半導体製造に精通するエンジニアは、世界的に不足傾向の問題がある。クエストグローバルは国内外で2万1000人のエンジニアを雇用。航空・宇宙分野など世界130社ほどの顧客に半導体の設計・開発エンジニアリングサービスを提供。顧客にはエヌビディア(本社・米国)などの大手IT企業も含まれる。
 クエストグローバルのエンジニアが数百人規模でラピダスを設計支援する。小池社長は「工場にいるエンジニアも重要」とした上で次世代半導体製造拠点への常駐も今後、検討する。
 今回の協業によって、顧客が求める半導体設計をクエストグローバルが支援することで2ナノ半導体の開発から市場投入までの時間を大幅に短縮する。同社の顧客をラピダスへとつなぐといった効果も期待される。
 プラブCEOは、AIが飛躍的に進化する中、2ナノ半導体は全く新しい技術で世界に影響を与えるとし「ラピダスの製品・製造と、当社のエンジニアリングの強みを生かしたい」と述べ、ラピダスに500人以上のエンジニアを派遣する見通しを示した。
 ラピダスが獲得した顧客について小池社長は「30−40社と交渉中で順調に進んでいる」と打ち明けた。大手IT企業との間でサブ的な半導体開発を手掛ける可能性を示唆した。
 AIの発展に伴い多くの新興企業が立ち上がっている。「日本においても新興企業に対してサービスを提供・支援し、確実に顧客獲得につなげていきたい」(小池社長)と抱負を述べた。