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建通新聞社四国
2025/03/18

【愛媛】愛媛県庁本館耐震化・長寿命化対策案を了承

 愛媛県庁本館耐震化等・敷地土砂災害対策検討委員会の第2回会合が3月12日に県庁であり、県が示した耐震化の工法や長寿命化の箇所・対策を盛り込んだ整備方針案を了承した。3月中に正式決定する。
 整備方針案によると、耐震化の工法には建物の歴史的・文化的価値に影響が少なく、執務を行いながらの耐震改修が可能な免振工法(レトロフィット工法)を採用。併せて免振化の際、支障となる本館と議事堂とを接続する渡り廊下の改築と本館に近接する地中埋設配管・配線などの地中工作物・植栽などの一時的な移設も検討することとした。
 また長寿命化対策については、屋上防水改修、内壁・天井修繕、窓回り修繕、給排水設備など更新、一部外壁修繕(10カ所中1カ所)を想定。屋上防水改修では屋上防水シートを全面改修する。内壁・天井修繕では全執務室と廊下など共用部の天井・壁の打診調査を実施し、浮きが広範囲にある箇所やクラック部・剥離部を修繕する。窓回り修繕ではカバー工法による改修を基本に断熱効果の高い窓へ更新する。給排水設備など更新では給排水管(トイレ改修で実施したものを除く)を更新し、電気設備配管は可能な限り集約、不要配管は撤去する。
 なお、整備に当たっては建物の歴史的価値を行うことのないよう、文化庁や日本建築学会などの意見を聞きながら工法や材料を選定するとともに、改修に合わせ執務室の部分移転を図る。
 この他、整備方針には改修記録の作成と保存、今後のスケジュール、財源の確保などを盛り込む。国の補助金活用や財政状況などを見極めながら進めていく考えで、基本設計に9カ月、実施設計に12カ月、耐震改修・長寿命化工事に2年4カ月程度を見込んでいるとし、予算の確保や入札手続きなども含めると、最短でも6年程度かかるとした。
 県庁本館は鉄筋コンクリート造4階建て延べ8414平方bの建物で、築後96年を経過している。2021年2月には国の登録有形文化財に登録されいるものの、老朽化に加え、耐震性を満たしていないことから、文化的価値を考慮しながらの耐震補強が必要とされ、これまで検討を進めていた。県は耐震化・長寿命化対策の他、県庁敷地内の土砂災害対策についても今後検討を進めることにしている。

提供:建通新聞社